5.0
いっぱい死ぬけどハッピーエンド
始まりは面白くてだんだんと意味不明になる作品は多いけど、この作品は秀逸。
本当に良くできたストーリーで読むほどに面白くなっていった。
伏線は複雑さを残しつつ、ストレスなく回収されて、回想と現在、夢と現実、幻影と実在、複数が同時に喋りだすシーンなども多々あるのだけど、それぞれがハッキリ認識できる様描かれていて(作者スゴイ)、物語後半につれ島がなんなのか、これ程までに命を犠牲にさせる原因もなんなのか、全て腑に落ちた。
キャラクターもそれぞれが本当に個性的で、読むほどに愛着を感じさせられ、物語中で佐切達が願ったと同じ様に、罪人も介錯人もみんな生き残って欲しいと思いながら惹き込まれていった。
たくさん死んで、最終的には介錯人2人の付き添いで、お上の前に引き出された罪人1人が無罪放免を勝ち取るのだけど、その他の人々の生き死についてやその後が、最終話で、帰還した当時から現代(千年の後)まで描かれている。
人間ではなくなった者が、山田家の殊現含め3人いたが、親しい人間の寿命が尽きたあとの彼等については描かれていなかったので、もしかしたらいつか続きが見れるのかも、だったら良いなと思った。
(殊現は黒焦げになって死んでしまったのだろうか?
彼は独自の使命感と正義感を持って行動するカリスマだったけど、人間としては罪深く、、生きながらえて、自ら同志の命や幼い赤子の命までを奪った過ちに、いつか気付いて葛藤するところを見てやりたいと思ってしまった。。)
おしまい。
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36
地獄楽