1.0
捨てられたと言えなくもないが
まだ15歳の娘が東京に行くと言ったら10万円渡してその後のフォローは何もないというのは常軌を逸してます。
自己責任というレビューがあるが、主人公は特に大人びたところもないただの子供で、こんな幼い頭の子供に自己責任も何もない。親は主人公が出て行く前に説得するなり、出て行くことを許可するなら安全な住居を用意するなりすべき。それができないなら保護責任のある人間が未成年に一人暮らしを許可してはいけない。10万円渡しても15歳で東京で一人で暮らしていくなんて普通は無理なことくらい、大人なら分かるでしょうに。(どうも父親は、すぐ生活できなくなって帰ってくるだろうと思ってたのではないかと思うが、それにしても一人でほったらかしにして危険すぎる)
ただ、この漫画は完全に主人公目線でしか書かれていなくて、本当は主人公が気づいてない周囲の大人たちの動きや思惑があったのではないかと思います。両親もかなり説得し悩んだ上での結論かもしれない。
この漫画の一番のイライラポイントは、(子供だから仕方ないが)常識も洞察力もない主人公の一方的な感想しか書かれていない点。基本的に自分がしてもらったこと、してもらえなかったことについてしか書かれていないので、内容が浅いし疑問だらけでフラストレーションが溜まりました。
例えば、泊めてくれた兄妹に対して被害的な感想が目につくが赤の他人にしては親切だとも思うし、どうも色々事情がありそうな人達だがそこは何も書かれていない。
その他の良くしてくれた人達にも「自分に何をしてくれたか」だけで、どんな人なのかは描かれない。世話をかけた罪悪感や自己嫌悪は書いているが、感謝や好意的な感想は滅多にない。
俯瞰的視点や周囲の人への洞察、当時の自分の捉え方への内省などがないので、主人公は人を役に立つ人間かそうでないかしか見ていないように見える。役に立たない人を酷い人だと糾弾し、非常に被害的で他罰的。
これからそのあたりの主人公の人間的な成長が描かれるなら面白くなるんじゃないかと思うが、現時点では内容が浅くイライラするだけの漫画です。
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15歳で捨てられました~2年後、母になった漫画家~