5.0
読む価値あり☆
読み始めは『よくある旦那の浮気をきっかけに、自分のアイデンティティを発見』的なものかな?と思って読み進めたのですが、前半で他の作品との大きな違いである、サスペンス的な要素が混ざってくることにより、かなり読み応えがある作品となりました。
登場人物も一切の無駄のない必要最低限の人数ですし、話数もよくこの数で納めたな!と、読み終わったあとに出た感想は『恐れ入りました』という感服の気持ちでした(笑)
ひとえに話の構成、組み立てが唯一無二で、他に似たような作品はないんじゃないか、と思います。それぐらい伏線の回収や、話の縦軸と横軸のバランス、すべてが完璧だったと思います。
女性二人のそれぞれのキャラも、魅力的でした。絵柄が適度に力の抜けた自然体な雰囲気であり、どちらかというと柔らかい印象を受けますが、それにも関わらず女性二人の意思の強さを、芯の一本通った逞しさが、表現されていました。
そして、その女性たちの力強さをより際立たせる、渦中の男のクソっぷりも、物語のバランス的にはよい仕事をしていました(笑)本当にクソすぎますけどね。でも、祐一みたいな男、現実にもたくさんいそうですけどもね。大きな害やトラブルを撒き散らしてドラマチックに大惨事にするほどでもないけど、小悪事を垂れ流し積み重ねて、地獄、みたいな。
と、読後直後の興奮のまま長々と書きましたが、私は読んで損はないと思いました!
オススメです☆
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気がつけば地獄