5.0
誰もが萌で、史緒で、蘭丸で、神野で…
(ほんの少しネタバレあり)
この作品の主人公って、四人ですよね?
最初は史緒だけが主人公で、萌と蘭丸は準主役?神野は準々主役?かと思っていましたが、途中から、ああ、これ全員が主役だわ!と思いながら読んでいました。
タイトルの「プライド」、主人公の四人それぞれあり方が違います(当たり前ですね、違う人間だから)。
作品中では、オペラ(音楽)と共にストーリーが展開しますが、当然ですが漫画からは音楽は聞こえません。ですが、四人のプライドや性格が、絡み合い、重なり合い、何重奏にも感じられるから不思議!
人の心や内面にある「汚さ」「欲」「野心」「葛藤」などが上手く表現されていると感じました。
現実の世界でも、誰もが萌のような汚さや罪深さを少しは持っていると思いますし(実行するかどうかは別として)、多美ちゃんみたいな意地汚い人もワイドショーなんかで見かけます。(ごめんなさい、私は萌は気の毒に感じる場面はありましたが、最後まで好きになれませんでした。)
史緒みたいに、何もかも上手く行く人も悔しいけどいるし、でも、そんな人でも悩みや葛藤があって、それを本人が口に出すと叩かれてしまうのもまた悔しい。
蘭丸と神野は全然違うタイプだと思いますが、自分の気持ちを上手く伝えられないという点では似たもの同士かな。
こういう人間模様みたいなところ、作者の一条先生はよく見てお描きになっているなと思いました。
なんか「圧巻」ですよね!日本、ウィーン、ミラノ、ニューヨークとスケールも大きいですし。
脇役?のオペラ学校の生徒や先生、クラブのママやお客さん、マルチェロ、主役四人の家族、ふみちゃん夫妻、秘書の有森さん、ベティ御一行。キャラが濃くて印象に残る人ばかりですが、くどくないですし、一条先生のまとめ方が本当に上手い!
小中学生の頃、リボンで連載されていた一条先生の漫画は当時まだ子供だった私には理解が難しくて… 色んな経験をしてからこちらの作品を読むと、主役四人の気持ちが非常によく伝わってきます。まるで、自分がこの作品の中に入って、このストーリーは目の前で起きていることなんじゃないかと思うほどに。
それぞれの後日譚みたいなのを読みたいです!ウィーンの皆さん、マルチェロ、蘭丸の躍進やベティの活躍、美恵がオペラを目指すとか。
いつかお描きになることがあれば、是非読ませて頂きたいです!
-
0


プライド