5.0
小説のような読み口
漫画という媒体ではありますが、漫画特有のスピード感とか迫力、爽快感を視覚的に感じるというよりも「小説」を読みなぞるような、読者のイメージによる補完で精神に直接訴えかけてくる深みを感じさせる作品だと思います。
ドラマチックだったりストレートな展開も好きですが、毒を隠した毒花のように「読み進めていく毎じわじわと毒が回っているのに後から気付く」みたいな作品です。
どこか日本文学らしい、遠回しな表現で深くを衝く、真綿で首を絞めるような人間の精神を、恐ろしくも美しく描く丁寧な作品だと感じます。
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兄だったモノ