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  1. 評価:4.000 4.0

    "命"と"話す"ということ

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    前々からバナーで気になっていましたが、無料話があったので良い機会だと思い読ませていただきました。
    始めは、
    「中絶かぁ…最近は10代の子が考え無しで性行為やなんか馬鹿な事やるけぇ、そんな人に宿った子がホンマ可哀想よな…。子は親を選べんのに……」
    と、中絶に対する嫌悪感で一杯でした。
    でも実際に内容を読むと、そんな事よりも"命の大切さ"ということを考えさせられ、涙が止まりませんでした。今でも簡単に中絶を選ぶ人はやっぱりどうかと思います。幼い子供や抵抗出来ない状況ならともかく、性行為自体は自己責任の面が強いですし…。ただ、その中には本当に様々な理由を抱えた人だって居るし、そんな立場にも妊娠した事すらもない自分が好き勝手言うのは、根本的に何か違うんじゃないかという気がしました。
    あと、透明な子ではカナちゃん程ではなく一度だけでしたが、実際に自分も小学低学年の時、実の兄から親の居ない時に押さえ込まれ体を触られたりした事があり、その時の恐怖を思い出してカナちゃんや同じ辛い思いをした子達は一体どれ程傷付いたんだろうかと、1話を読んだときとは違う涙が溢れました。
    この事については大人になってから母親にだけ「こんなことあったかも…」という昔話のように話しましたが、話している間中泣いてもいましたが、実はあれは夢か自分の勝手な妄想か何かだったんじゃないかという感覚に襲われました。
    やはりそれは当時、
    「出来の悪い自分が悪い」
    「親は不在だから兄が絶対的存在」
    「誰にも言えない、言える人が居ない」
    という自分が我慢するしかない状況下で、その記憶に蓋をして頭から消したからだと思います。
    今でも兄とはとても仲は良いですし、された時もプロレスごっこの延長だと思い込みました。
    ただこの経験からも思いましたが、性虐待は本人の訴えは無いし出来ないからこそ、やはり周りが何とかして気付いてあげなくてはならないと思いました。
    勿論"性虐待に限らず"です。
    そして、この作品を読んだ人がたった一人でも良いから【話ができる人】を見つけるべきだと思いました。
    何でもどんなことでも構わないです。日常の些細なこと、悩み、怒り、幸せ、楽しみ、苦難、希望………。
    大事なのは"一人じゃない"ことに気付けるかどうかということ、そして陳腐な言葉になってしまいますが"命の大切さ"を、私はこの作品を読んで改めて考えさせられました。

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