5.0
賞に値します
魔法は (現時点では) 出てこず、中世の歴史大河といった感じの重厚かつ王道のストーリーです。ヒロインは初めは虐げられていますが、他の多くの作品のようにやり過ぎ感はなく、相手の動機も納得のいくものです。国同士の外交に関する部分も大変惹き込まれますが、それ以上に主人公二人のすれ違いがこの作品の (少なくともこのレビューの執筆時点までの) 醍醐味と言えるでしょう。相手が他の人を好きかもしれないと思い込むタイプのすれ違いではなく、あくまで相手のことを想って身を引くもので、読者は甚だ焦らされますが、同時に非常に爽やかかつ美しいです。話レビューでどなたかが書かれていましたが、まさに「焦れキュン!」という形容がぴったりです。ストーリー展開もあまり無駄な要素を含まず、サクサク進んでいて好印象です。最後に、私にとって重要な点ですが、作者の画力が極めて高いと思います。単にキャラクターの書き分けができているというだけでなく、いろいろな表情を付けた際にも顔の個性が保たれているように感じ、感銘を受けました。私がこれまで「めちゃコミック」で読んだ作品の中では 1・2位を争います。自信を持ってお勧めします。
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偽りの婚姻で愛をあざむく