1.0
失敗としか思えない
コミカライズとは、小説である原作の世界を 画 で視覚的な魅力を伝えるものだと思っているのですが、全く魅力が伝わってきません。
まず冒頭のモノローグからして原作の雰囲気ぶち壊しです。
セーラがヒロインなのは間違っていないですがその関係性を強く押し出している話ではないのです。原作の良さを引き出そうとする前に可愛い女の子を強調したいというコミカライズ作者の願望があるように感じます。
ですが一番決定的に酷いと感じるのは、展開を画で表現出来ていません。状況説明が伝わってきません。原作では戦闘シーンの重心移動や剣先の操作、持ち手での操作など細かな描写がされていますが、コミカライズでそれが表現されているとはとても思えません。この先数々の戦闘シーンがあるのにその魅力を伝えていくには無理があると感じます。戦闘シーンに限らず、些細な描写もです。例えば重要な因縁を持つことになる登場人物との初邂逅シーンで、コミカライズではただ通り過ぎたとしか受け取れない画です。ただ通り過ぎているだけの画に、足元に「トン」という擬音を書き込んでも、そのトンにどういう意味があるのか原作を読了していないと全く意味が通じないでしょう。
絵に関しては好みもありますし、触れるべきではないと思いましたが、「美女」な敵はしっかり扇情的な衣装で描いているのに対し(原作には肌を露出しているような表現はありません)、その辺の雑魚の魔獣はトーンを貼っただけ的作画コストの低さはやはり...なんというか...主人公が人生で初めて相対する命を脅かす存在ですよ。それとのやり取りをあんな絵で表現されているのは残念としかいえません。
この作者さんにはこの作者さんの良さがあります。でもこの作品世界には沿っていません。
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水属性の魔法使い@COMIC