5.0
目にも心にも、とにかく贅沢な作品!
飽きっぽくせっかちな私。完読自体が稀なんですが、この作品は原作を読み、先の展開を知ってても尚、週1の更新日を心待ちにしてました。
絵が綺麗で読み始めたものの、デミアンの態度や言い方にウンザリし離脱。とはいえやっぱりあの絵が見たくて、途中を飛ばして当時の最新話(55話あたり)を見てみたら、別の作品かと思うぐらい全く想定外の展開で。改めて読み直し、気付けば...英語版原作小説を購入する程の沼の住人に。それぐらい引き込まれてます。
難解なセリフやクロエの頑なな態度、そして難ありなデミアンの性格は、確実にイラッとさせるでしょう。けれど読み続けていくうちに、デミアンの一途な想いに圧倒されるはずです。
地方の没落貴族で足も不自由。分別をわきまえ「家族の幸せを見守るのが私の幸せ」と常に家族を優先し、感情表情も控えめなクロエ。自分の欲にまっすぐなデミアンに影響され、やがて自分の本心を素直に口に出せるようになり、行動していきます。そして最後の戴冠式でデミアンが「さぁ…お前が手にしたものを見てみろ」と。
ここに至るまで紆余曲折あり、加えて非常に分かりにくいデミアンの優しさですが、それに気付くと思いがけず泣いてしまうことも。
恋愛モノではありますが、いかにも軍人ぽいデミアンの名言の数々と "幸せを諦めないで" というメッセージを感じられるところも好きです。是非読んでみてください!
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その品格に反抗を