5.0
サスペンスと心の機微と
曽根まさこ先生の傑作集は、実に読み応えがあります。それはサスペンスとしての構造がよくできているだけでなく、心理描写(特に女子の)がよく描けているためだと思います。良質のミステリー短編を読み終えたかのような読後感を味わえます。
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23547位 ?
曽根まさこ先生の傑作集は、実に読み応えがあります。それはサスペンスとしての構造がよくできているだけでなく、心理描写(特に女子の)がよく描けているためだと思います。良質のミステリー短編を読み終えたかのような読後感を味わえます。
少年が謎の美女とともに、空飛ぶ機関車で宇宙へ旅立つ
そして様々な星、様々な人たちとめぐり逢うことで、生と死について考え、成長してゆく。
そんなすごい設定、よく思いつきますね。松本零士先生の創造力、半端ねぇ。
そして、アニメ化もされて日本全国の少年少女がこの物語に熱狂しました。
私もその一人です。原作は、松本先生の独特の素朴でありながら、洗練された筆致で描かれています。
特に女性の描写は、唯一無二の〝零士美人”です。
どの作品でも北条先生の漫画にはヒューマニズムが根底にあります。
それが優れた画力、程よいコメディ風味とバランスよくブレンドされて、いつも笑いながらも泣かされます。
そしてこのF.COMPOもまた、北条先生の描く新たなカタチの家族の物語。
LGBTを先取りしたかのような、男女逆転の登場人物たち。でも、それぞれのキャラは性別を越えて、優しさと熱さを秘めた愛すべき人たち。そして各自シリアスな事情を抱えていても、そこぬけに明るく、自分の選んだ道を決して後悔してない、素敵な人たち。いつしか雅彦くんに自分を重ねて、この家の住人になった気分で読んでいました。
お嬢様の恋の相手は、ちょっと不良っぽい男の子
昔から定番のパターンですが、いいじゃないですか王道のラブストーリー。
約40年前に読んでいたあのころの自分を思い出しながら、初恋の甘酸っぱさを堪能します
「誰よりも美しく、誰よりも賢い」、と〝養父”に称されるように、薪さんの大学生姿は、もう永遠に飾っておきたいくらいに素敵です。
しかし、その外見からは想像できないくらいの壮絶な生い立ちが、解き明かされていく。
もし、鈴木さんの存在がなかったら、薪さん、どうなっていたのでしょうか?
その後も、過酷な出来事が次から次へと2人の前に襲いかかることは判っているのですが、
この大学時代に少しでも楽しい時間があったことが分かって、本当によかったです。
「うる星やつら」のタイトル通り、次から次へと騒がしいキャラが登場。
そしてそんなキャラが、それぞれに個性を爆発させて、みんなキャラ立ってます。
作者の描き分けに脱帽です。そして永遠の鬼ごっこのようなあたるとラムの関係。
この2人のつかず離れずの関係が、もどかしくも、愛おしい。
ラブコメの原点のような、楽しく心温まる漫画です。
お嬢様で、容姿端麗、超タカピー、でも惚れた男性にはとことん一途。
もう白鳥麗子さんは、元祖ツンデレですね。
そしてそんな彼女のわがままをちゃんと受け止める哲也も、いい男。
わがまま放題だわ、勘違いするわ、周囲を巻き込んで大騒ぎするわ、
でも、そんな笑わせてくれる麗子さんを応援しちゃいます。
ポーの可愛らしさ、スコットの誠実さがよく描かれていて、また動物の描写が上手。
作者はイギリスを舞台にする作品が多く、また絵柄もヨーロッパの雰囲気にあってます。
おとぎ話を信じる純粋な青年の前に現れた、愛くるしい小人ちゃん。
でも、メルヘンだけじゃない、現実もしっかり描いたお話です。
さすが一条先生、3本の短編がいずれも質が高く、読みごたえがありました。
芸能界を舞台にしたミステリー、それに挟まれた一抹の清涼剤ともいえる仄かなラブストーリー、そして映画「レベッカ」を彷彿とさせる心理サスペンス。
絵も綺麗で、良質な短編映画を観た後のような、満足感があります。本当に、一条先生は何を描いても上手いですね~。
「あいつがHERO」に出てきたメンズの過去とその後。あさぎり先生がきちんと補完してくれて嬉しいです。
特に、本編ではあれほどの男性である一人さんが不憫で仕方なかったので、このエピソードで幸せになれそうで安心しました。それぞれのキャラが抱えている過去や、心の傷。それらを乗り越えて、HEROになっていくんだなぁ、と感じました。
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曽祢まさこ傑作集 いつか誰かに殺される