みーたむ。さんの投稿一覧

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1 - 6件目/全6件
  1. 評価:3.000 3.0

    心の中のぶーこ

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    一番近い友達なのに…一番近い友達だからこそ、幸せを祝う気持ちだけでなく、羨んだり焦ったりする気持ちも出てきてしまうものだと思います。
    自分の方が勝ってる!とまで思うと性格が悪く感じますが、自分は遅れてないんだと安心するくらいなら身近な感情かもしれません。しかし他人と比べて優位に立ちたいという根っこは同じです。

    ぶーこは作品として極端に描かれていますが、誰の心のなかにもある醜い感情を象徴する存在です。
    性格がかなり歪んでいるぶーこですが、生い立ちには同情すべき点も少なくありません。彼女自身も深く傷付いていました。
    友人を失ってから心の治療を始めていますが、本来であれば傷付き体験をしている子供時代から治療が必要だったはずです。
    自分の心が健康でないと人を良く思えなくなってしまいます。

    人の幸せをなんだか素直に喜べないとき、心の中のぶーこに気付き、自分をふと見直して心の健康を取り戻すことが大切だと思います。
    そんなことを改めて考える機会になる作品です。

    • 21
  2. 評価:3.000 3.0

    ちょっと物足りない

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    短いなかでよくまとめられた作品だと思います。
    しかしその反面描ききれなかったところもあるのか、摂食障害、こんなものでは済まされない、まだ生易しいとも感じました。
    摂食障害そのものがテーマというよりは、苦境を乗り越える主人公、その人は摂食障害も患っていたくらいの感じがします。
    治療があまりにもさらっと描かれていたからかもしれません。
    主人公が再出発できたのは良かったと思いますが、なぜあえて水商売という設定にしたのか?というところも少しもやもやした気持ちになりました。何かそれぞれを結びつけるような偏見でもあるのか、と深読みしてしまいました。
    この長さだと、きっと描ききれていないところがあるから読んでいても消化不良なのかも知れません。
    摂食障害にまだそれほど詳しくない人が読み物として読むには、病気を大まかに知る切っ掛けになったり、注意換気に役立ったりして良いと思います。

    • 0
  3. 評価:5.000 5.0

    心の中の累

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    尋常ではないほどに醜い容姿、トップレベルの演劇の才能、他人と入れ替わる不思議な口紅…。
    非日常的すぎる設定を持つ主人公ですが、感情移入しながら読み進めることができます。

    作品の魅力としては、綺麗でどこか妖艶さも感じられる絵や、ハラハラドキドキ、緊張感のある巧みな心理描写があげられますが、そればかりではありません。

    他人の美しさを羨むと同時に呪う気持ちというのは、多かれ少なかれ誰にもあるのではないでしょうか。
    そしてそれに気付いたとしても、汚い感情であるとして封印してしまう。
    累はその気持ちを表現し、願望を叶えていく。
    しかし、「姿は醜いが心は清らか」などというきれいごとでは収まらず、共感しがたい部分も持ち合わせる。
    それも社会での居場所を確立する手段として必用なものでした。
    残酷なことに、社会では美しさは力や守りになりうるものです(美しさの持つ弱さにも触れられますが)。

    美しさをめぐる様々な感情。
    自分は累とは違うと思いながらもどこかで同一視しながら読んでいるのかもしれません。

    自分の存在価値は?理由は?
    そこに美しさはどのように絡んでくる?
    いろいろなことを考えさせられます。

    • 30
  4. 評価:5.000 5.0

    当事者からみた世界

    この作品のレビューを見ていると、高く評価するものもあれば批判的なものあります。
    発達障害に対する見方…社会の縮小にも感じられます。
    発達障害がどんどんメジャーになってきていますが、まだまだ理解されにくく、社会に受け入れられないこともあるのが現状でしょう。

    自分の力ではどうしようもないところで失敗してしまう…単なる怠けや努力不足と言うわけではない。
    障害によって、人に迷惑をかけてしまうことも避けられないかもしれません。
    悪気がない、では済まされないこともありますが、もしそれが周りの働きかけ次第でどうにかなる問題だとしたら?

    単純に毛嫌いするだけではもったいない。
    この作品の作者のように、1つの作品を描きあげ、それが出版されるという、驚くような才能のある素敵な人かもしれないのに。

    この作品のように当事者目線からみた世界を知ることで、身近な方への理解を深めたり、お互いにとって丁度良い付き合い方を考えるきっかけになるのではと思います。
    そうすることで障害のある方も、その方と一緒に過ごされる方も、より深みのある人生を送ることが出来るのではないでしょうか。

    • 18
  5. 評価:4.000 4.0

    読み込むほどに味が出る

    レビューでは今のところ低い評価となっていますが、読み込むほどに物語の面白さ、構成の巧みさが感じられます。

    極々短いお話がいくつも繰り広げられ、それぞれは関係無さそうに見えますが、読み進めるうちに、ある村の土着信仰へと繋がっていきます。
    謎が多く不気味な信仰。
    舞台は都会だったり田舎だったり。
    時代背景も、現代だけでなく戦後、あるいは吉原が登場するなど時をこえたエピソードを垣間見ることができます。
    ある程度まとまった長さのお話が読みたい人には物足りなく感じるかもしれません。また、ブツブツと途切れたようにお話がいくつも続くのはストーリーが分かりにくくイライラしてしまうかも知れません。

    しかし、「あの時のあの話はここに繋がってきたのか!」という体験が好きな人や、絵や台詞などで瞬間的にぎょっとする感覚が好きな人にはきっと楽しめると思います。
    十分怖いです。

    ☆ひとつ少なくしたのは、どなたかのレビューにある通り、消費ポイント数がページに比べやや高すぎるように感じられたからです。

    • 24
  6. 評価:5.000 5.0

    毒カワイイ

    絵柄が特徴的で引き込まれてしまいます。
    可愛らしいのにダーク。
    ダークなのにどこか可愛らしい。

    話の一つ一つは短く、すぐに読めてしまいます。
    長さ的に物語の複雑な展開や深まりはそれほどないものの、読み終わった後、独特の余韻に浸ることができます。
    「後味の悪くない不気味さ」とでもいうのでしょうか?
    残酷でグロテスクな場面もありますが、いたずらに不気味さだけを売りにすることなく、かわいさや温かさ、救いも味わわせてくれる、そんな感じの作品です。

    作風に好き嫌いは分かれるかもしれませんが、個性的で魅力あるお話だと思います。

    • 4

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