5.0
大人になって読み返してわかる曽根原薫子
子供の頃から大好きな篠原先生の初期長期連載。
木に背もたれた儚げな倫子の微笑は、慎ちゃんにとって忘れられない笑顔であると同時に、読者の心にも刻まれた姿ではないでしょうか。
一部のラストも
二部のクライマックスで曽根原先生の執念の元で生きながらえた倫子と時を経て大きくなった麻衣との再会も
果たせなかった慎ちゃんとの再会も
麻衣に生きろ、逃げろと背中を押して大好きな慎ちゃんを胸に抱いて最期を迎える倫子の姿も……読む度に泣かされました。
(後年、一部ラストのモノローグで「これが倫子をみた最後だった」と言わせてしまったが故に、2人を生きて再会させられなかったと言う篠原先生のお言葉に打ちひしがれもしましたが……)
子供の頃は、曽根原先生は怖いしやる事全てが酷く(研究の為に倫子の妹は犬に襲わせるし協力者の医師も通りすがりの心優しい神父様も簡単に始末してしまうし…)なんて恐ろしい女だと思ってましたし、ラストは死んで清々した!も正直な感想でした。
しかし大人になって改めて読むと、やった事は確かに酷いし許せませんが、父親の無念を晴らしたい、学会を見返してやりたいという気持ちはそりゃああるよなわかる……と、少し評価が変わりました。
手段を選ばない所はどう頑張ってもフォロー出来ないレベルで最低ですが、嫌いという感情は無くなりました。彼女もまた翻弄された犠牲者だったのかもしれないと。(いやでも舞子を犬に襲わせたのは本当に残酷過ぎてお前……人の心がないんか……という感じですが)
あと読んでいた当時は特に何も思いませんでしたが、普通の高校生、そんなに毒グモに詳しい事ある!?とちょっと笑ってしまいました😂
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闇のパープル・アイ