4.0
主人公の気持ちが
まず言いたいのは、主人公の気持ちが最後までブレないのはもはやあっぱれと言う他ありません。
こういった双子ものに多い、結局は最初に好印象を持てなかった相手と徐々に仲良くなっていき、最終的に恋に落ちる展開だろうと思って読んでいたのですが、その期待は見事に裏切られました。
ただ、幼い頃の双子のエピソードも所々あるものの、はるとにコンプレックスを抱えながらも父親の望む“良い子”を演じ続けたさくら。
そのさくらと跡継ぎの座を敢えて争う必要はない…と退いてしまったはると。
さくらの言う「勝てない勝負はしない主義」が本当ならば、幼い頃から何をしても勝てないはるとには競らず、高校生のはるととさくらは逆の立場になっていそうなものですが、そうではない。
その辺が読後のモヤモヤを生み、はるとと結ばれなかった違和感を感じさせられたのだと思います。
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オオカミ少年とアブナイ王子