4.0
これは純粋なのか?
テレビで『警視庁密着24時』系の番組を見ている時に、例えばストーカーの人が言う「相手も自分のことが好きだと思っていた」とか、痴かんで捕まった人が言う「相手も喜んでいると思っていた」というのを聞いたときに感じる、タチの悪い純粋さ、認知の歪みをこの物語の主人公、店長の息子の幼馴染みから強く感じる。
心の飢えから来る思い込みが強すぎて視野が狭くなり、全ての情報を自分の都合の良い方向に解釈して行動するから現実世界の人たちの心からどんどん離れて沈んでいく気持ち悪さとか。
そしてその泥濘にハマっていることに本人たちはまったく気付かない恐さとか。
一人ひとり、同じ時間を共有しても同じモノを見ているとは限らないし、その人が見えてる世界の中でしか人間は生きられないんだなあと思った。
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泥濘の食卓