5.0
子を想う母はどこにでもいる。
吸い込まれるように一気読みした。
最初ホラーかと思って読み始めたが、かなりリアルで危険な親子愛の物語だった。
息子の視点で物語が進む為、絵の構図が常に母から見下ろされている状態で、それが妙な恐怖を感じさせている。
子を想う母の愛情の描写が、物凄くリアルで、実際に子を持つ人なら非常に共感できるだろう。
母は誰しも子供を愛していて、一人っ子ならば尚更、その子だけに全ての愛情を注ぐものだ。
その愛情の深さが、<正常か歪んでいるか>の境界線が、<法に触れるかどうか>のレベルまで行ったとしても、母親自身はその歪みを自覚することが難しい。子供の為なら何だってできてしまうのが母親というものだから。
現実にあり得る話として、色々と考えさせられる。
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血の轍