4.0
そのまま
作者さんの人柄というか、何かとの接し方というか、そういうものがそのまま出ている作品だと思いました。
内容や展開が淡々としているところ自体が、作者さんらしさというか。
エッセイ漫画はあまり読んだことはありませんが、これだけあっさりした内容で作者(と相方さん)の人となりをここまで想像させるのは大したものだというか、この、「作者らしさが出ている」というところこそが「エッセイ」なのではと思います。
強がっている部分も本当にどうてもいいと思っている部分も、優しい部分も冷たい部分も、それらが同時に内包されているという人間らしさ、ありのままの作者が見えてきて、面白かったです。
他の方がレビューで保身だけとか相手ばかり悪く言っているとか書かれていて、なぜそう見えるのかはよくわかりませんが、これだけ賛否両論が出るのも、とても面白いことだと思います。
それだけ深みのある作品ということではないでしょうか。
淡々としているからこそ、そこにある、単純ではないけど単純でもある、複雑ではないけど複雑でもある、言葉では表せない思いや関係性みたいなものがより浮かび上がってきている気がします。
余白のある作品というか。
同棲などの経験がなくても、人と真剣に関わるとはどういうことか、ここにいる自分はどういう存在か、関係性とはなんなのか、などを考える方には、読み応えのある作品だと思います。
作品の良さということでない感想で言えば、あまり語られていませんが、相方さんの奔放な部分に作者さんが救われているところもあったでしょうし、作者さんの包み隠さず正直な部分に相方さんが居心地の良さを感じているところもあったでしょうし、逆にお互いが無理しすぎず一緒にいれてしまったから、10年同棲を続けられたし、それでも結婚しなかったのかなという感じがしました。
続けるためには関係性を無理やり変えてみることも必要なのかもしれませんね。
ずっと一緒にいたいと思う人とは、今お互いそれぞれが、そして2人が、どういう関係でいるのかということをきちんと見つめながら、絶えず関係性を積み上げ続けていきたいなと思いました。
長文失礼致しました。
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同棲終了日記~10年同棲した初彼に34歳でフラれました~