赤い雲さんの投稿一覧

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1 - 10件目/全18件
  1. 評価:3.000 3.0

    金木の語彙力はさすが読書家

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    少し前、「人間を食べる異形の怪物と戦う」そんな設定の漫画が次々と世に出てそれぞれが爆発的にヒットしましたね。鬼滅、進撃、(約束のネバーランドも同じ系かな)そして本作。その異形のモノが実はもともと自分たちと同じ人間である、という残酷な設定が最も活かされているのが本作。
    「自分の大切な人やありきたりの日常を奪った憎い敵の正体は、血に飢えた悪魔でなくてはならない。自分たちと同じように愛や優しさや倫理観を持っていてはいけない。生きるために仕方なく人を食べるしかない悲しい生き物であってはいけない。飢餓が限界に達したグールの本能に抗えず、人間であることを一瞬忘れて殺戮に走ってしまった弱い心の人間であってはいけない。全てのグールが、ここに何人かだけ登場するグールのように、殺戮を楽しみ人肉食をなんとも思わない悪鬼であると思いたい。主人公のように、グールを理解してほしいと努力する「人間」のようなグールの存在は絶対にいてはならない」
    それを認めてしまったなら、攻撃できなくなる。復讐ができなくなる。敵だ、と認識した者が多数となり、よく相手を知らないうちに憎しみの勢いを借りて正義とし、問答無用で駆逐する。それが最も楽なやり方で、そこに迷いを生じさせてはならない。その迷いこそがヒューマニズムという名の、人間が持つ一番の徳なんだけれど、人間はこれが最も不得意だ。今までお互いがされたことやしてきたことを全部飲み込み、許しあい、ルールを作り、和解と停戦に合意し、共存するというのは、人類にとって最も困難なことなのだ。それは歴史が何度も証明しているし、相手はグールでもなんでもないのに、リアルの世界でどこかの国は何年もそれを続けている。
    この作品はグール=人類の敵側から見た世界観の漫画なので、その視点が新しいと思う。いつ正体がバレるかわからない、気が抜けないという仮面生活の緊迫感は無いけれど、人間を装うために食事をする練習の苦痛さは、すごくリアリティがあった。
    金木くんが半グール半人間として、人間の中のヒューマニズムを信じて世界を変えようとする努力、それが唯一の本作の希望の光。しかし、人間側とグール側両方に悲哀に満ちたエピソードと理不尽なムードが絶えず付きまとう。ギャグシーンらしいギャグはまだほとんどない(あったかもしれないけど、気がつかなかった)。

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  2. 評価:3.000 3.0

    やる方もやられる方もサイコパス

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    ゴシップ記者の回、ちょっと違和感かな…。
    自分の娘にインタビューする記者、
    そしてその記事売っちゃう雑誌の出版社、
    これはちょっと変。
    自分の娘さえも取材対象にしか見てないどーしようもない鬼畜、と言いたいんだろうけど。でも、いじめをして自殺に追い込んだのは自分の娘なんだから、次にマスコミや世間から弾劾されて白い目を向けられるのは他ならぬ親ある自分だよな。「あいつ自殺しちゃうんじゃないかなあ?!」とかヘラヘラ呑気に笑ってるの、凄い違和感。自分たちが社会的にアウトになる寸前なのに、そこらへんに思い至らないで娘にインタビューする心理、少し描き方間違えてる気がする。
    (そもそも、この記者の娘も、教師に自殺されて慌てて後悔したり泣くようなタマには思えなかった笑 お父さんと娘のお2人でサイコパスデカの山荘に連れてかれるモンだとばかり思ってました)
    出所した猟奇殺●犯、ナンバサークル大学生、人間の心がカケラもない人間=サイコパスたちを、サイコパス刑事が趣味と実益を兼ねてお仕置きしてくれるお話、と思って読み進めてたけれども、ちょっと、この記者、頭悪すぎない? なのでここで少ーし、読む勢いが冷めたかな。

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  3. 評価:3.000 3.0

    上手く言えないけど、なにかがチグハグ

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    何度も男に騙されて金を取られて捨てられて、娘を連れて夜逃げして。娘に泣いて謝ってばかりで、それなのにここまでおっとりしててポジティブなお花畑ヘッドの母親、というのはリアリティーがあまり無い。母ではなくただの雌として幼い娘捨てて男に走ってネグレクトなんてのも、母親のろくでもない男から暴力や性的虐待受けてきた、なんてのも、きっとない。ヒロインは見るからに健康的で、母親から愛情だけはたっぷり注がれてまっとうに育ってきた、って顔してる。リアルにこの母親みたいのが同じ職場にいたら、憎めない天然ドジキャラとしてみんなに心配されて、なんだかんだ可愛がられるんだよな。かつて温泉旅館の花形スターとして君臨した若く美しいボールダンサー「みっち」のメンタルは、13年前と今とで少しも変わらなかったんだろう。こういう母親なら、このヒロインは「大人」になるのが早まらざるを得なかったと思う。
    と、ポールダンスには全く関係ないことを色々考えてしまうオープニング。
    ポールダンスの絵は妖艶とかセクシーよりも、爽やかさ女性の体の美しさが際立つ清潔な絵柄。
    よくわからないけど、設定になんだかチグハグな印象があるので、無料版の続きを読みたくはならなかったな…

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  4. 評価:3.000 3.0

    2話目からが面白い

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    もし試し読みが第1話だけだったらそこでやめて続きを読まなかったと思う。初回の主人公のモノローグが説明っぽくなるのは漫画のお約束だからとりあえずそこは仕方ないんだけど、第1話の最初のつかみは全く面白くない。次を読みたいとはあまり思えない。が、第2話、美姫がいい。なぜか主人公のルックスや表情も、ここからいきなり魅力的になる。主人公がどんな子なのか、むしろの第2話が初回でもいいくらい、端的に、わかりやすく表現されている。

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  5. 評価:3.000 3.0

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    タイトルと表紙に惹かれて試し読み。期待を持たせるオープニング。不思議な力、それは何なのか。この少年が「夜さん」にどう関わっていくのか。泣いて駄々をこねる子供の絵がいかにもそれですね。

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  6. 評価:3.000 3.0

    課金には至らないかな

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    どこかで見たような世界と設定と登場人物だけど、素晴らしい画力。ジャンプ特有の「友情」。でも続きは別に読みたくならないかな。これだけチャイナな世界なのに、ルカのお父さんが日本の普通のスーツメガネなのが醒める。

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  7. 評価:3.000 3.0

    ロキが良き

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    俺様気質で強引なシーザ王子はこれはこれでファンがつくのでしよう。甘ったれ坊ちゃんは人の愛し方や相手の心を慮ることを覚えて、不器用ながらも主人公と本当に愛し合うようになっていくのかな。赤毛握りつぶし&貧乏国呼ばわり&暴言&従者への差別発言&無理キス等性的DV。やってること割と最低のイケメン王子。
    ロキいいですね。だけどもしグラン王に復讐したいなら会った瞬間に秒でやらないと、すぐ正体バレてる。向こうはいつ敵国の人質を殺しても構わないくらいのこと言ってんだから、グラン王が手を下した過去のあの村にいたことがバレたら、速攻でナカバの身があやうくなるだろ。王の前で派手なことやらずにチャンス伺えばいいじゃん。…と、あら探しをしたけど、とりあえずナカバとロキの主従萌えを堪能しました。
    あら探しもう一つだけ。シーザ王子のもと恋人と、シーザ王子の母親が、王位継承の策略を企てて王子をせっつくシーンな、謀反企ててることそのものはいい。だけど、誰が耳をそばだてていてもおかしくない、王宮の廊下というパブリックスペースで声高にやらかすのはやめとけ。(宝塚とかの舞台ならあるあるのお約束で済まされるけど)一応、最低限のリアリティ残しといてくれ。

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  8. 評価:3.000 3.0

    無料分は結構楽しめましたが

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    「私の幸せななんちゃら」と「傷モノの花なんちゃら」と「離縁はいたしかねなんちゃら」を足して3で割ったような設定ですが、逆に言えばこの手のシチュエーションを、昔も今も作者も読者も大好きってことなんですね。これらの作品の違いはどこかを楽しむのも一興かと思います。完全に同じ物なんかないんですから。
    この作品の良いところは画力。特に画面のセンス。ただ作者も読者もそれが大好物なのかも知らないけど、最初の咲弥様、そして咲弥様の母親の傍若無人ぶりな逆ギレ加減がなかなかのリアリティのなさ。今は傾きかけた経済状態なのかもしれないが、元華族の家柄つったら世が世ならお姫様ですよ。朔弥様の家が皇族かなんかならわかるけど、どんなにお金持ちの大会社の息子や奥様だとしても、使用人でもまだ家族でもない良家のお嬢さんにこの口の利き方はありえないでしょう。これで貿易会社の社長夫人や取締役?そんだけの立場の人が、社会人として最低限の敬意や礼儀作法は持っていないなんて、ダメでしょうこの会社。旦那様の時代錯誤な暴言からの罪悪感→イチャイチャ。姑の反対と嫌がらせ→夫のカバーと嫁のけなげさ。そういうのを純粋に楽しむ「漫画」なのかもですが、漫画だから何でもアリじゃないだろうと私は思います。
    でも、母親の異常な執着を「ハサミを隠して物陰から息子の様子を伺う」というたった一コマのわずかな場面だけで伝えられる、抜群のセンスと表現力を感じます。また、酒屋の源ちゃんの初登場シーンの、源ちゃんの体の向き、それだけで見事な伏線になってる。「あれ、中の様子を伺ってるのかな?犯人?」と一瞬思うんだけど、すぐに清子への挨拶、滝川とのやりとりから和気藹々の流れ。ミスリードがお見事。そういうセンス抜群の漫画家さんなので、無料分は結構楽しく読むことができました。しかし、清子の実の両親と妹は、顔に痣のある家族を厄介者扱いするわ嫁ぎ先から帰ってくるよう嫌がらせして足を引っ張るわ、ろくでなし一家。咲弥の母は息子に依存してるし、父親も咲弥のことしか考えてないし、そのせいか弟は弟で相当兄に対してやべえモン抱えて婚約者を追い出そうとあの手この手を使ってくる。主人公カップルの清らかさ愛の強さを強調するためのシチュエーションだとしても、世界観が偏って陰湿すぎる。こういうのの行く末を、私は読みたくはならない、これ以降の有料回購入は残念ながらないです。

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  9. 評価:3.000 3.0

    設定メチャクチャなのに面白い稀有な作品

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    最初の夜会で襲われた→キズモノにされたとかそーゆーのならまだしも、男遊びしてるだらしない娘って噂にどうやったらなるのか全く謎。令嬢モノにありがちだが、この作品も衣服の時代考証が適当。政略結婚で貧乏公爵家を援助してあげた側の嫁に対して、この旦那の逆ギレ態度は完全にどうかしてる。ステラが黙って身を引いてド貧乏暮らししてる性格の良い子ってんなら、まだ嫁ぎ先の屋敷全員でが奥様をいびりまくるのもわかるけどな。結婚した後も旦那の隣の部屋に幼馴染の女を住まわせてるの、どう考えてもアウトだろこの屋敷の倫理観。余命いくばくもないとかそう言う問題じゃないよ。どう考えてもこの娘の今後の展開からして、親に反抗できたはずのタマだからストーリーに説得力がない。娘を厄介払いする態度のくそオヤジ、完全に後付け設定でミダス王の生まれ変わりくらいのカリスマ扱いになっとるし、めちゃコミック史上稀に見る無能設定の旦那様だし、とにかくメチャクチャ。
    それなのにこれ、21話から突然面白くなるのよ。何をどう目論んでるのか、気になって課金して読んだら、凄い展開だった。マネジメントの鬼。旦那様や使用人のクソぶりを冷静に立て直してゆく。ここはめっちゃ面白いんだけどな笑

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