赤い雲さんの投稿一覧

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1 - 6件目/全6件
  1. 評価:3.000 3.0

    絵が綺麗です

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    ファンタジーは実はリアリティがあることが最も大事だと思う。コスチューム物の漫画の人物の絵はよく衣装でデッサンをごまかしているが、それがこの作品にはほとんどない。設定にも破綻がない。バトルシーンも美しい。
    ただ、弟を殺した犯人の正体を知りたいか?ヒロインの行く末が気になるか?彼女とイケメンたちとのやりとりにキュンキュンするか?次が読みたいか?
    と言われたら、不思議なことに全くそれはゼロです。私には合わなかったのですね。

    • 3
  2. 評価:3.000 3.0

    無料分は結構楽しめましたが

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    「私の幸せななんちゃら」と「傷モノの花なんちゃら」と「離縁はいたしかねなんちゃら」を足して3で割ったような設定ですが、逆に言えばこの手のシチュエーションを、昔も今も作者も読者も大好きってことなんですね。これらの作品の違いはどこかを楽しむのも一興かと思います。完全に同じ物なんかないんですから。
    この作品の良いところは画力。特に画面のセンス。ただ作者も読者もそれが大好物なのかも知らないけど、最初の咲弥様、そして咲弥様の母親の傍若無人ぶりな逆ギレ加減がなかなかのリアリティのなさ。今は傾きかけた経済状態なのかもしれないが、元華族の家柄つったら世が世ならお姫様ですよ。朔弥様の家が皇族かなんかならわかるけど、どんなにお金持ちの大会社の息子や奥様だとしても、使用人でもまだ家族でもない良家のお嬢さんにこの口の利き方はありえないでしょう。これで貿易会社の社長夫人や取締役?そんだけの立場の人が、社会人として最低限の敬意や礼儀作法は持っていないなんて、ダメでしょうこの会社。旦那様の時代錯誤な暴言からの罪悪感→イチャイチャ。姑の反対と嫌がらせ→夫のカバーと嫁のけなげさ。そういうのを純粋に楽しむ「漫画」なのかもですが、漫画だから何でもアリじゃないだろうと私は思います。
    でも、母親の異常な執着を「ハサミを隠して物陰から息子の様子を伺う」というたった一コマのわずかな場面だけで伝えられる、抜群のセンスと表現力を感じます。また、酒屋の源ちゃんの初登場シーンの、源ちゃんの体の向き、それだけで見事な伏線になってる。「あれ、中の様子を伺ってるのかな?犯人?」と一瞬思うんだけど、すぐに清子への挨拶、滝川とのやりとりから和気藹々の流れ。ミスリードがお見事。そういうセンス抜群の漫画家さんなので、無料分は結構楽しく読むことができました。しかし、清子の実の両親と妹は、顔に痣のある家族を厄介者扱いするわ嫁ぎ先から帰ってくるよう嫌がらせして足を引っ張るわ、ろくでなし一家。咲弥の母は息子に依存してるし、父親も咲弥のことしか考えてないし、そのせいか弟は弟で相当兄に対してやべえモン抱えて婚約者を追い出そうとあの手この手を使ってくる。主人公カップルの清らかさ愛の強さを強調するためのシチュエーションだとしても、世界観が偏って陰湿すぎる。こういうのの行く末を、私は読みたくはならない、これ以降の有料回購入は残念ながらないです。

    • 2
  3. 評価:3.000 3.0

    構想は凄いと思うのだが

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    作者の根本的理念や精神状態や世界観が作品の土台をつくる。田村由美さんワールドが好きな人はそこもまた魅力のひとつなのだろうけれど、なかなかグロテスクだ。夏Aの育成施設を統率したトップの頭の中は完全に病んでいる。極限状況下にあるからこういう思想の有能な指導者に運営を任せるのも仕方ない?いや、膨大なコストと時間かけて大勢の子供育てて、その中のたった7人に絞りこんで、その7人全員、最後にメンタルボロボロにして未来に送り込む、っていうのはまともな統率者のやり方とは思えない。最悪手の方法だ。「これに耐えられたんだから未来でどんな過酷なことも耐えられるだろ?」というマッドな思想の振り落としとその結果(目が虚ろな夏Aメンバー〉を、作者はあえて描いたんだろうけれど、私的にはリアリティが無い。極限状況を生き抜くというのなら、何よりも精神状態重視だからだ。宇宙飛行士の選抜でも重要視されるのは生死を問われる状況でのストレス耐性だが、夏Aどう考えても異常。覗き同然の監視カメラつけられてるし、脱落して施設を出される女子生徒の末路がグロ。究極のリサイクル。発想そのものがやばい。覗きをしてたようなクズ教官を夏Aの付添いにしたのにもとんでもない悪意を感じる。生徒達に報復をさせるためだけに送り込んだとしか思えない。そういう発想の持ち主が国のブレインに立ってるから、セブンシーズ春夏秋冬の選抜方法に根底には人権尊重という理念はない。四季のチーム全員、無作為に選ばれたとか言ってそうでもない(権力者や縁故の子女が入ってる〉のも結構ガッカリした。私ですらガッカリだから、涼と安居の気持ちもわからなくもない。それにしても貴重な35人中、夏B7人が本当に適性があるかも調べてないし装備がリュック一つだし。コールドスリーブできるなら第一にやることは人と一緒に大量の食料と水の保存だよ。コミュケーションやチームワーク構築や社交性って能力が宇宙飛行士選抜では重視されるんだけど、そしてむしろ技術や経験よりサバイバルには大事なのだけど,ちゃんと調査して選抜したとは到底思えない。その能力が足りなくても極限状況下なら否応なく開花すると思ったのか。
    けなげでガッツ溢れる登場人物たちの交流も、感動的なセリフやシーンも満載なんだけど、時々この世界観は気持ちが悪くなった。

    • 0
  4. 評価:3.000 3.0

    懐かしい

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    この作家の作品は、歴史的人物に題材をとったストーリーや、ディストピアを生き抜く人々といった、スケールの大きなド直球物が多い。大上段に構え、真正面から壮大なテーマを語る少女マンガでは数少ないエンタテイメントなのだが、なぜか私はいつも途中で飽きてしまって、ひとつも読破できていない。「巴がゆく!」「seven seeds」など、主軸となる登場人物が皆同じタイプなのも途中で止める原因のひとつかもしれない。岩館真理子さんの作風を思わせる、劇的に絵柄が変わった「ミステリと言う勿れ」も、霊視とか幻覚で読者をミスリードさせてきたあたりでこれじゃなんでもアリになるじゃん、とつまらなく感じてすぐに読むのをやめた。
    この「BASARA」はストーリーや対立構造がとてもわかりやすい。が、深みがない。例えば「民を救う運命の子」という設定だけれど、この救世主伝説の根拠はなんだろう。ここまでの民間信仰があるからには、文明が途絶えてわずか300年の間に日本の村落に根付くだけの宗教の存在が無ければならない。それが生活や習慣の中に入り込んでなくてはならない。儀式でもモニュメントでも経典でも偶像でも装飾でもいい、それが村落の生活様式の中に描かれてなければ説得力が無い。ご存じ「風の谷のナウシカ」は文明社会滅亡後の世界で生き残ったわずかな国々での信仰や神話や伝承に彩られた物語である。また、統治者が民を統治する道具としての宗教も示唆されるし、ある国では僧が将になり戦場において手腕を発揮する。その生活様式や背景の描写に複数の宗教的モチーフが感じられ、土地にまつわる予言とそこに現れるナウシカの存在にリアリティを与えている。
    BASARAの「運命の子」という言葉は、言ってみれば言葉だけのモノだ。そこに美しい青年少女が耳触りの良い台詞を聞かせてくれるラブストーリーの背景としてその設定があれば、リアリティがあろうがなかろうがそれでいいのである。残念ながら、この作者の描く作品はどれも、
    現実に作者の手に届く範囲だけのモノで固められた「未知の」世界、
    という感じがするのだ。
    残念ながら、私はそのどれもに途中で飽きてしまった。このことを言語化するのはこのレビューが初めてだ。
    しかし、このマンガの連載当時の頃を「懐かしいなあ」と思い出したので、星は3つつけました。

    • 0
  5. 評価:3.000 3.0

    私には絵が合わなかった

    全ての漫画に共通するけれど、絵だけは人の好みがきっぱり分かれます。漫画だから致し方ない。とりあえず私がバレエ漫画に求めるものが、ここには無かった。レビュアーさんの中には有吉京子さんのSWANを例に挙げてる方がいましたが、あれは別格です、SWANの絵はもうほとんど美術館クラスの代物です。ただ、バレエ漫画を読みたい人の多くが既にもう「SWAN」や「アラベスク」を知っていて、無意識にあの画力と同レベルを期待してしまう、そのことだけは覚悟しておいて間違いないのです。しかし尚、それでも全ての、「バレエ漫画を描きたい」漫画家さんは、その志を止めずに書き続けていって欲しい。ダイヤモンドは最初はどれも土に埋まってます。掘って掘って掘りまくり、磨きに磨きあげなくては、ダイヤモンドにはならないのです。

    • 4
  6. 評価:3.000 3.0

    カイが美しい

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    カイのライバルのメガネ君が闇落ちするあたりで話が停滞してちょっとダレる。カイは天才ゆえに他人の才能への嫉妬というものが一切ないので、メガネ君が代わりにダークサイド役を全部引き受けてる感がある。また、登場人物の顔、どんなに優しそうなイケメンのおじさまや天使のような美少年でも、頭の中で考えてることが結構ドロドロの打算だらけの性格悪いヤツだったりする笑 単行本限定のおまけの話だけれど、パン・ウェイの独占インタビューは「ちょっとくどいな」と思った。

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