4.0
絵は素晴らしい
池上遼一が作画を担当する作品を好んで読んでいます。
この作品は、池上遼一の漫画によくあるセッティングすなわちヤクザの世界を描いています。正確には、マフィアや裏社会全般をその射程に捉えたセッティングだと言えましょう。しかし、この作品はハードボイルドな世界を描きたいあまり、さっぱりし過ぎている感がありました。というのも、主人公の心理的葛藤の面が描き足りない気がするのです。なるほど主人公は、人を葬る度に涙する哀しい男です。しかし、それほどの悲しみを抱えていながら、あっさりと人を葬るのです。
男と女の一対をストーリーの主軸にしている点は、他の池上遼一作画の作品と異なります。男と男の一対が、彼の作品には多いからです。その点を楽しみたい方は是非読まれた方がいいです。
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クライングフリーマン