くろろんねこさんの投稿一覧

投稿
2
いいね獲得
13
評価5 50% 1
評価4 50% 1
評価3 0% 0
評価2 0% 0
評価1 0% 0
1 - 2件目/全2件
  1. 評価:4.000 4.0

    リアル中のリアル

    私は刺繍作家。
    今、これと同じ世界に踏み込もうとしている刺繍作家。

    だけど、私の刺繍作品はほとんどが非売品。
    所有権は私の娘にある。
    完成の直前で娘に所有権を譲渡している。

    譲渡した所有権により、娘は私の刺繍作品を販売することを拒む。
    だけど、展覧会には出した。
    コンテストにも出した。
    小さな賞をいただいて、今、次の賞も確定している。

    買いたい側の心理はわかる。
    売りたくない側の心理もわかる。

    私の作品は1日10〜12時間かけて、8ヶ月半かかったものがある。
    毎日湿布貼って、高級目薬さして、腱鞘炎と肩こりと運動不足に悩まされても作り続けた作品。

    現在、最低価格が一千万円。最高額が二千万円。
    賞を取ればそれ以上に跳ね上がる。

    これはそういう世界。
    そして、コンテストで簡単に賞は取れない。
    だが、飾られればそれで良い。本に写真が載ればそれで良い。
    私は自腹切って掲載契約金を払う。
    安くない。

    私は自分のお金のために作品は作らない。
    自力で生きていくことが難しいほど身体の弱い娘が、私の死後に金銭的に困らないようにするために作品を作っている。
    そして、そのための価値を上げてる。

    彼らの思う「販売」とは違うけど、若い頃ほ「絵」を描いていた。
    「売ろう」と思っていた。
    それで財産を作ろうと思っていた。

    だけど、私はキャンバスから離れた。
    何万人もいるライバルの中から抜け出せなかったから。
    売り方を知らなかったから。

    私は高卒のしがない主婦で、病弱な娘を支えるために外仕事にはでられない。
    家で出来る仕事を探して「刺繍」に辿り着いた。
    だから、所有権は娘にある。

    誰にも真似出来ない、機械にもできない領域を目指してる。

    絵を描いている諸君。
    まずは「価値」を作れ。
    銀座の画廊で数十万円で売られているものと、君たちが描いたものの間に差は無い。
    良い額縁にに入れろ。
    気に入る額縁が無いなら、自分で作れ。
    額縁も君の作品だ。

    私は枠まで刺繍する。
    私のこだわりだ。
    それが私の作品。

    あなたは枠の縁までが自分の作品だと思っているのか?
    「売れる作品」とは、「型にハマらない作品」

    売り込む時は金を惜しむな。あとで数百倍になって返ってくる。

    作りたいものを作れ!価値を高くしろ!
    芸術は「枠を超えた空間」に存在するのだから。

    • 6
  2. 評価:5.000 5.0

    生きている人達の呼吸すら感じる作品

    ネタバレ レビューを表示する

    世界観が分からないという人もいるようだけど、私は原作を読んでなくても、しっかり世界観を理解出来た。
    草の匂い。木の匂い。風の匂い。
    気温、気候、人々や獣の呼吸すら。
    『一人で暮らす』ことが理解できない人は、キャンプをするなり登山をするなり、公園を散歩するなり、トムソーヤの「ハックルベリー物語」を読むなりするといいかもしれない。

    ほんのちょっと昔でも、こんな差別は普通にあった。
    「子を蔑ろにする親」に憤りを感じる人は、幸せな生活を送ってきたのだと羨ましく感じる。
    私も親からは蔑ろされて育てられてきた。
    学校から帰ると『もう帰ってきたの?帰ってこなくていいのに』といわれる。しかし姉や妹が帰ってくると笑顔で『おかえり〜。おやつあるよ〜。』だった。
    ちなみに私は障害者では無い。
    それどころか成績も運動もトップクラス。
    いい成績をとると私への視線も態度も冷たくなる。私の方が自分より良いのが気に入らないのだそうだ。
    望まぬ時期の妊娠だったため「堕ろしたかった」「生まれてきたあんたが悪い」という理由で虐待されてた。
    能力の有る無しに関係なく、人は「気に入らない」という理由で、子供一人ぐらいは平気で蔑ろにする生き物であることを忘れてはいけない。
    小さな村なら肩身の狭い立場の子供を持つ親は、仕事すら貰えなくなっていく。
    現代日本では当たり前じゃないのかもしれないど、昭和の中頃まではそんなのも当たり前だった。
    主人公は知識を習えただけマシ。
    日本以外の世界では子捨ては普通に存在する。
    ヘンゼルとグレーテルだってそうだし、某国の一人っ子政策では数え切れないほどの捨て子があった。

    彼女は身に付けた知恵と度胸と慎重さ、あとは薄らと残っている前世の記憶で最初の旅を成功させている。
    食べ物を採取し、狩猟で得た獲物の処理もきちんとして売っている。
    ゲームみたいに金や宝石が出てくる訳では無い。
    地道に捕って捌いて、丁寧に処理して、抗菌作用の葉に包んで売る。
    地面の整備状況で街が大きいかどうか、小さな村なのかも判断できる。
    現代日本人にはできないことを、知識と経験と前世に身に付けた第六感に近い判断で危険を回避したり、物や人との繋がりを作っていったりする。
    匂いや風や気配、孤独を通しての街での交流。
    ソラの成長。
    魔物が出ると冒険者たちが集まるのもリアル。
    でも、ビンはリサイクルしよーねー。

    • 7

設定により、一部のジャンルや作品が非表示になっています