なまこくまさんの投稿一覧

ちよにやちよに

じっくり読みたい

ゆっくり、じっくり読みたくなる、丁寧な作品です。
それぞれ、親の離婚を経験した主人公２人が過ごした中学高校の思春期の６年間が、丁寧にさわやかに描かれています。
主人公２人が親の離婚をそれぞれ経験した事で、流そうとしても流せない感情を抱えてしまった。そこから湧き出た思いや意志を持ってどう生きていくのか…人(相手)や社会に対して、拒絶せず、諦めずに精一杯あがきます。

この作品は
『何かの事情を抱えている人達が社会で生きていく…』という事に対しての、作者さんの希望を込めた応援歌のように感じます。人や社会(集団としての人間)から与えられた自分の価値や認識も、人と関わる事で崩していけるよっていう…
現実は難しくても、優しい社会であってほしいという作者さんの人柄も伝わってきます。

思春期特有の『願えば叶う、と向かっていく』いう、無鉄砲で真剣な勢いと不安、繊細な感情を、丁寧に大切に愛を持って描いている事が伝わります。傷付いても頑張って生きる２人が報われるように希望を込めて描かれています。

いっくんが気持ちの強い、愛情を受けて育った、素直で堂々とした子だから成立する人間関係もあるのかな？とも感じます。そういった部分も含めて、応援歌のように感じました。