5.0
ひとつの問題提起。
設定やキャラクターにあまりリアルさはない。20歳の風俗の男の子に惚れられるなんてあり得ない。だけどひとつの問題提起。どう思う?ってただ問いかけてくる。それをどう捉えるかは読者次第。拒否感を示すひとがいることは分かりきっているが、それでもこれだけ売れたのには理由がある。
誰にも共感はできなかったけど、最後におとやが主人公の実家から帰ろうとしてすぐ戻ってきて「一緒に東京に帰ろう」と言ったシーンが印象的。そういうところだと思う。誰でもない、おとやしかいない。主人公の気持ちに寄り添えるのは、身体の関係で成りたつような相手じゃない。あのシーンは深く共感して涙が出た。
テンポの良さと予想外の展開でどんどん読んでしまう面白さはさすが。
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