5.0
禍福は縄の如し
猫猫にとって、後宮勤めは自ら望んだものではなかった。家に残した義父の身を案じながら、年期明けの日を一日千秋の思いで過ごす日々。目立たずに真面目に勤めれば必ずその日は来る。はずだった。しかし、それをしなかった。否出来なかったと言った方が正しいかもしれない。好奇心と少しの正義感というがそれだけだろうか。たぶん猫猫は認めないかもしれないが、心のどこかで現実を受け入れているような気がする。今、猫猫の手には見えない赤い糸がある。その先にいるお方は誰だろう?
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猫猫にとって、後宮勤めは自ら望んだものではなかった。家に残した義父の身を案じながら、年期明けの日を一日千秋の思いで過ごす日々。目立たずに真面目に勤めれば必ずその日は来る。はずだった。しかし、それをしなかった。否出来なかったと言った方が正しいかもしれない。好奇心と少しの正義感というがそれだけだろうか。たぶん猫猫は認めないかもしれないが、心のどこかで現実を受け入れているような気がする。今、猫猫の手には見えない赤い糸がある。その先にいるお方は誰だろう?
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