5.0
「関係ない」「どうでもいい」の回からこの回まで、どうしても成瀬の心の内が読みきれず、何度も読み返し、ようやくなんとなくわかったような気がします。
成瀬が「関係ない」と言ったのは本当にそのままで深い意味などなく、あの時神社で春原とはたまたま会っただけだし、ママに約束をすっぽかされた事も偶然知っただけの事で、それをわざわざ話す必要もないから「関係ない」と言ったのかな?と。
元々、人の事をベラベラ喋るような成瀬ではないので、ゆきちゃんが泣いていた事も木戸先輩の事も誰にも言わなかったように、春原が泣いた事もその訳も、誰にも話すつもりはなかったと思う。
宇佐見さんの土下座からして、成瀬は春原を抱き寄せたのではなく(確かに、抱き寄せたと言うより手を添えたと言うか手を当てたと言うか)、いつも笑顔の春原が弱音を吐いたのが、部室で1人泣いていたゆきちゃんの後姿と一瞬重なって、つい寄り添ってしまっただけで、特別な思いがあって手を添えたのではなく、多分成瀬自身も無意識だったんじゃないかな?
どうでもいい、の代わりに、市井さんとキスしたのを見てしまった時のように「何よ、春原と抱き合っていたくせに、この出○ソ!」とでも言っていれば、その場で成瀬から本当の事が聞けて万事うまく解決、となったかも知れないけれど、そうしたらゆきちゃんは自分の気持ちを改めて認識して袴田くんに引導を渡す事も、袴田くんが潔く散る事もなく、成瀬がなんとなく引っ掛かっていた春原との事に決着をつける事もなかったと思うので、これはこれでふたりには通るべき試練だったのかな。
あと、地味に気になっている事がひとつ。
もし、お姉さんのご懐妊がなかったら、成瀬はどうゆきちゃんと仲直りするつもりだったんだろう?
まあ、結局上手いことおさまったので、結果オーライなんですが・・・。
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