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  1. 評価:4.000 4.0

    想像以上に考えさせられる内容でした。

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    第一部の睦月高校編、この話はなかなか残酷な物語です。

    いじめなどの問題行動が横行している睦月高校2-Bに、●人衝動を隠し持つサイコパスの女教師「葛西心春」が赴任し、いじめっ子を次々と亡き者にするというストーリー。

    一見すると悪の力で悪を裁く、所謂ダークヒーローものに見えるかもしれないけど実は違う。

    この物語の舞台である2-Bのクラスメートたちは、もし葛西心春がこの世に生まれてこなければもっと幸せになれてたかもしれない。そんな後味の悪さを残す作品だと感じました。

    登場人物の中に秋月竜斗という、いじめの主犯格たちと仲が良いけれども積極的にいじめには加担しない不良生徒がいますが、彼がぐれた原因のひとつは幼少期に尊敬していた兄を階段からの転落事故によって失ったことにあります。

    運動が得意だった兄が階段事故を起こすはずがないと前々から疑っていた竜斗でしたが、兄を階段から突き落としたのはなんと当時、彼と同じクラスメートだった葛西心春でした。
    理由は、彼女が小動物を●している最中を兄が目撃したから・・・。

    真犯人を突き止めた竜斗は心春を陥れようとするけれども逆に彼女の策略によって、心春が●したはずのいじめっ子の●人容疑の疑いをかけられ、警察に連行されてしまいます。

    前述の通り、秋月竜斗が不良になった原因は兄の事故です。

    当時の兄はナイフが好きだったり、好きなコに年相応のちょっかいをかけたりはするけれども、性根は善人。明るくクラスメートのリーダー的存在だった兄を竜斗は慕っていました。

    ここから先は憶測にすぎませんが、もし、兄が生きていたならば竜斗は心のまっすぐな善人になれたかもしれないのです。
    そして彼と仲の良かったいじめっ子たちも、もしも竜斗が善人だったならば彼に感化されることによって、たとえ厚生とまではいかなくとも物語中のような残酷な行動をとるような人間にはならなかったのではないか?
    そしたらいじめももしかしたら無かったかもしれない。

    それなのに・・・

    他者を次々と手にかけた心春は、第一部のラストで「事件が次々起きたにも関わらず体を張って奮闘した模範的教師」として皆から絶賛されます。彼女は犠牲者に少しも悪びれる素振りもなく、お祝いの花束を持って次の赴任先へと去ってゆくのでした。

    第一部が物語として完成されていたのでここでラストでもよかったかも。

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