4.0
コメディなのに重い。
物語が始まった時点で息子の明弘は亡くなっていますが、現在の話と進行して、嫁のアンドロイドの記憶や、両親や友人の思い出話が折り込まれて、明弘の人となりが見えてきます。
生前嫁に、死について「死んでしまってもその人を誰かが大切に思っていたら、生き続ける」という様な事を話していますが、読み手にも明弘が生きていた事が強く伝わります。
登場人物に悪人がいないので、安心して読めますが、それだけに明弘が治療を受けず皆の前から姿を消すという決断が辛く、同時になんで!と腹立たしいですし、そもそも病の設定が重すぎる。
それ以外ではギャグとシリアスのバランスが絶妙で、下手にドラマや映画化はして欲しくない作品です。
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死んだ息子の遺品に息子の嫁が入っていた話