つろたんさんの投稿一覧

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1 - 10件目/全12件
  1. 評価:5.000 5.0

    NEW
    日本の精神医療の課題を問う意欲作

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     レビュータイトルには硬派な表現を使いましたが、主人公の弱井先生からして有脳な精神科医なんだけど発達障害系で整理整頓が出来ない。等、構えずに読めます。
     しかも将来を嘱望されながら、仕事に邁進する中で最愛の女性を失う経験をして、何か思うとこ有りて民間診療に転じ「街道」を降りて「王道」を行っている。

     こと日本という国にあっては、物事の本質に迫った善い行いは「表街道」では成せないのだ、それこそがこの国の問題だという構図は、医療に限らずあらゆる社会派エンタメで繰り返し扱われており、実際そうなんだろうと納得してしまう所です。

    内容は重い内容を含むのですが、それぞれの症例とそれに付随する代表的な環境要因や、治療と寛解に向かう過程で、阻害要因になる物の存在を丁寧に描いています。
     とはいえ、漫画はコミカルタッチで肩肘はらずに読めますし、魅力的な登場人物にいつの間にか惹き込まれてしまいます。

    また、精神疾患の後ろに全てとは言わないがかなりの高確率で発達障害が潜んでいることも示唆しており、考えさせられる内容です。

     医療、福祉、教育等の現場で就業している方には直接的に参考書として読めるでしょうし、これらの分野を扱う行政に身を置く方にも、自らが扱う事務の対象を知る手引きとして読んでほしい一冊です。
     明日からの仕事に厚みが増すこと請け合いです。

     また、先記の業種に関係しない一般の方も、家族親族の中の扱い難い構成員や、この先の人生で出会う様々な人々を理解する上で、知っていれば楽になれる要素が沢山あります。知っていれば、対処法や応用も考えられます。

    先ずは読んでください。

    • 0
  2. 評価:4.000 4.0

    ストーカーに惹かれるなんて!?

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    普通はないでしょ?
    と思う設定と展開ですが、なるほどそーゆーことだったのですね。

    読み進むうちに普通の恋愛ではない事が分かりますが、まぁさもありなん、とは思えます。

    一つ疑問は、坂本氏は藤子の事を何とも思っていなかったのだろうか、という事です。

    • 0
  3. 評価:4.000 4.0

    欠けが有るからこその勁さと清清しさと

    盲目と痣持ちの二人だからこその、苦しみを乗り越えた勁さと優しさが清々しい物語です。

    欠けが有るからこその負い目を互いの愛で拭い去り、その度に愛を深めて行きます。

    話の展開は次々と難題や事件、謀略に見舞われ目が離せませんが、互いを信じ合う勁さで乗り切る二人。二人を支え、協力する仲間にも人知れず悲しみがあり、それを微塵も感じさせない勁さがあります。

    描画は美しく、登場人物達も魅力的です。往時の北海道(寿都、函館、札幌)等の様子も丁寧に描かれています。

    ひたすら真摯に自分の生きる道を王道を貫いて生きられる者が、最後は勝つ。
    そんな事もさり気なく教えてくれる佳作です。

    • 2
  4. 評価:5.000 5.0

    ハンサムな女の生き方とは

    人としての自立は経済的自立があって、生活自立があって、初めて精神的自立がある。
    本当の自由の裏側には責任が張り付いており、自律出来て初めて大人と言える。

    自分の思うままに生きつつも、自分を客観視して相対化する視点も忘れない。

    そんなハンサムな生き方を体現するはるさんから目が離せません。
    サバサバ、ズバズバとした発言は正鵠を射ており、しかしその裏に深い悲しみから生まれた本物の優しさと温かさを秘めています。

    明確な哲学を持つ爽快な生き方は、中々出来るものではありませんが、目指したい境地でもあります。

    • 0
  5. 評価:3.000 3.0

    朧の花嫁と比べてしまいます

    不幸な生い立ちや、環境から努力と幸運で抜け出した二人の不思議で強いな絆と愛情
    そこに絡みつく様々な人間の負の感情と、それに支配された人間による醜い仕業にも、真っ直ぐ立ち向かい…
    良くある設定です。

    当初は次々と起こる問題にハラハラしながら読んでいたのですが、展開が早く安直に思えて来て、徐々にしんどくなっています。

    お気に入りのハートマークを先頃解除しました。読み続けるか否かを迷っています。

    • 2
  6. 評価:5.000 5.0

    歴史を換骨奪胎

    史実や社会描写の要点や観点は外すことなく、換骨奪胎しています。
    人物描写や起きる事象を「今で言うなら」の視点で置き換えてみたり、作者の発想力や構想力には脱帽。
    歴史好きにはニヤニヤが止まりません。
    そうそうそうそう!と膝や机をバンバン叩いてしまう場面が多々ありました。

    メタル源内先生もさもありなんと、凄く納得。ぶっ飛び過ぎて理解されなかった、日本のレオナルド・ダ・ビンチ源内先生のマルチぶりを良く表しています。

    • 0
  7. 評価:5.000 5.0

    恋愛の各段階が丁寧に描写されてます

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    恋多き女だった母親から顧みられることなく成長して、恋愛そのものに嫌悪や恐怖を持つ主人公。三十台の今まで恋愛経験はありません。
    それが仕事一筋の出世頭でやり手の厳しい上司と思いもよらぬ所で心が通う瞬間があり、徐々に互いに惹かれ合います。

    主人公は母親との依存関係を断ち切り、後輩の助言を得ながら、上司との初めての恋に踏み込みます。
    離婚歴のある上司は、主人公の飾らない素朴で温厚な人柄に心を開き、元妻に柔和になったがどうしたの?と気付かれる程に雰囲気が円くなり。

    恋を得て、女も男も色を変え、心ゆたかに実を結ぶかな。
    そんな状況の変化を緻密に丁寧に描いています。

    主人公を恋い慕う取引先の御曹司や、自分のキャリアアップを望みながら花嫁要員としか見て貰えないことにマグマを貯めていた若手女子社員など、様々な登場人物を絡めながら、オフィス群像劇としても読めます。

    ですが、あくまで分別ある振る舞いで大人な恋をする二人の甘やかで艷やかで、まだ愛にまでは至らない恋の段階だからこそ(レビュー投稿時点の展開では)の不安定さを描き、飽きさせません。
    このあとも目が離せない秀作です!

    • 2
  8. 評価:5.000 5.0

    異世界の虚構だから成立する純愛

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     異世界、転生という現実離れした設定がまず苦手な方なんですが、絵の綺麗さとニンゲンと片仮名書きされている意味は何?という興味から読み始めました。
     確かに異形の男達が美形で寄る辺ない女を飼うという行為が許されている世界、ジェンダー論の観点からは不味いかもしれません。
     然し、もう少し読み進めると、メイドとレノ、女医とクマ、そしてラズとちか、それぞれの境遇においてきちんと互いに向き合おうとしているのが判ります。「ニンゲン」にもちゃんと人格があり、思考があることが書き込まれています。
     異形、異世界という虚構に設定が借りてあるからこそ、リアルだと雑味や無理筋という形で作品のテーマを邪魔して来る物を削ぎ落とせ、核心や本質に迫りやすくなっていると感じました。
     基本設定や、家父長制のラズの出身家庭など、不自由を生きることの象徴であり、生きづらい世の中をそこに仮託してあるのではと思いました。
     家庭内搾取子だったちかと、家業の軍人の世界では致命的に優しいからこそ、落伍し勘当された筈のラズ。
    そのラズに何故今更、父親が家督を譲る事態となったのか、等も気になります。
    多分配信されたら読みます。

    • 4
  9. 評価:4.000 4.0

    居場所は自分で作るもの

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    泣き虫で繊細で、誰かに全てを委ねて生きるから、裏切られて居場所を失ったかつてのアヤ。
    辛い思いを乗り越えて、弱い自分と戦い、新しい自分を作り出します。

    元々持っているそれなりのポジションに甘えて非道な振る舞いをし、アヤを見下し傷つける元カレは、全てを失います。

    実業家の家庭に生まれ、手に入らないものはない環境ではあるものの、受動的に盲目的に生きてきた御曹司。自分の底の浅さに、アヤの涙から気づき、自分探しと称してアヤの実家の居酒屋に通い詰め、自分が本当に欲しいもの、大切にしたいものを手に入れます。

    シンデレラストーリーならではの落差の激しい設定や、物語の進行にややムリがあるものの、アヤの真っ直ぐな生き様が周囲の人の心を変えていく様は爽やかで朗らかです。

    絵も柔らかで綺麗です。
    よりよく生き、人としての節度を失わず、自分のご機嫌は自分で取りながら、自分の居場所を作ること。即ち、「生きる」です。

    • 0
  10. 評価:5.000 5.0

    購入する気は無かったのですが。

    原作(白黒版)愛読者です。
    ポンと現れた入荷を原作のものと勘違いして購入してしまったのが運の尽き。
    原作の絵の美しさに惹かれて読み始めていましたが、色が入って更に美しさに拍車が掛かっています。
    原作の世界観も損なっていませんし。
    物語も、人を乞うことのあらゆる要素を丁寧に描いてあり、好感が持てます。

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