5.0
両親を火事で亡くし父の兄弟である叔父の家に引き取られた紗枝。この家で過酷な扱いをされながら過ごしていた紗枝は、自分自身も否定し喪失していくようになる。ある日、叔父の娘である千代に来た「獣人」との縁談を代わりに押し付けられ、この縁談を受ける事になる。
紗枝が嫁ぐ先の主・神白宗伯は、昔から現在に至り獣人を見下し無下にしている人間が嫌いで、嫁いで来た紗枝に、初めから冷たく当たり追い出そうとする。勿論、神白家中の獣人である召使いも紗枝に冷たく当たるけれど、心優しい紗枝と過ごして行くうちに、次第に宗伯も召使い達も紗枝を認めていくようになる。
宗伯様と紗枝がお互いを少しずつ受け入れ、日々想い合う様も丁寧に描かれていて、ドキドキしながら読みました。
意外にも普段は凛々しい宗伯様なのに臆病な所もあるので、紗枝と似たもの同士なのかも?と思う部分もありました。
意地悪な人間だから顔に出てますが、叔父・叔母・千代は、嫁いだ紗枝に変わらず酷いことをし続けていく所は本当に腹が立ちます。
そんな家族から紗枝を守る宗伯様もまたカッコ良い…
紗枝も自信を取り戻していく所も見ると、宗伯様と幸せになって欲しいと願いつつ、ずっと応援したくなります。
絵も色使いも綺麗で読みやすい作品。
これからも読み進めたいと思います。
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白狼の妻