5.0
こんなに読み返した作品は無い
最初はこの暗ーいストーリー展開に中々読み進められず、でもいざ読み出したらズキズキ心が痛いまま、みんなが救われることを祈って、読み進めることを止められなくなります。
最後まで読んだら、なんでこうなった?腑に落ちなくて何度も何度も読み返しました。
何が納得行かないって楡の心境。あとは、タイトルの解釈が上手くできなくて。
楡の気持ちは、何度読み返してもこれと言ったはっきりとした答えは見つけられず、私には理解できない境地なのか、深く考えずにシンプルに考えることが大切なのか。
楡が高校生時代に岬を選ばなかったのは、単純に岬は眩しすぎて楡は岬を壊すのが怖くて付き合う勇気がなかったのかな。とか、日帆への責任を感じて、恐らく岬が出て行った寂しさも合いなって付き合うことにしたのかな。とか。
それで岬もいーじまと付き合いだしたから丸く治った。的な?
楡は自分を平気で犠牲にする人なんだろうなって。ただね、それで岬といーじま傷つけてるよね。
その関係を数年続けて、岬は楡への気持ちを再確認していーじまと別れを決めて、情けないのは楡と日帆。
単独岬へ何度か会いに行った楡も、いーじま兄とずっとやりとり続けていた日帆も同じ裏切りかなと思うし。
結果、楡はただのヘタレ男子で岬は逞しい女子なのかなと思いました。
最後はそれぞれ自分の正しい居場所をみつけられて本当によかった。
タイトルも、太陽を誰かの象徴とするなら日帆以外は全員太陽に象徴できそうだし、だとしたら太陽を太陽と捉えて、太陽が見ているかもしれないから後ろめたいことはできないのか、殻に閉じこもってもはい出せるとか、心は正しいところにないといけない。とかなのかなと思ったり。
何はともあれ、岬と結ばれてからの楡の穏やかな表情を見ていると、嬉しくなるし、遠回りした4年間の過程もきっと3人には必要だったんだろうと思います。
- 1
太陽が見ている(かもしれないから)