なぜ襲われた被害者であるヒロインが、傷物的な扱いではなくふしだらなどという醜聞が流れたのか、疑問に思ったのを思い出した。漫画的な無理矢理展開かとスルーしたけど、ヒロインがプライドから社交界に出続け、気丈に振舞った結果あらぬ噂が立ってしまったということだったのか。楽しんでるふりというのがどういう態度かはわからないけど、軽い感じだったのなら裏目に出てしまって、本人にも非はあったのかな。
そして公爵がヒロインに惚れた過程はだいたい想像通り。
何年も思っていたようだけど、彼なりに頑張ったのね。いつになっても謝らないわねと思ってたけど、嫁いできたヒロインへの仕打ち、自身のものだけではなく使用人たちを咎めなかったことも、今は酷いことをしたと反省しているよう。
だけど、ヒロインの噂については特に疑ってなかった様子が伺える。あの時の彼には無理だったとは思うけど、彼女が嫁いできた時にまずは人となりを見てから判断できれば、もしくはもっと早く当時のことを詫びることができていれば、ヒロインの気持ちも違ったかもしれない。でももう過ぎてしまったことだ。
公爵にとっては何年も温めた思いで、恐らくものすごいショックだっただろう。本来なら心からのお礼と謝罪をして、ヒロインを送り出すべきだけど、それは難しかったのだと思う。ヒロインの願いを聞いて自由にしたことが、彼のヒロインへの精一杯の誠意だったのだと思うし、ヒロインもそれは理解して受け取った。
彼も自分の仕打ちの報いは受けなければならなかったから、この結末は当然だし仕方ないこと。
この感じだと、返却しようとしていた買い戻しの資金はそのままになったのかな。投資した分は回収できたとはいえ、公爵家への貢献を考えればそれくらいはもらって当然だし、今の公爵なら受け取らないのでは。
これでようやくヒロインが自由になった。話数はそれほどでもないけど、経過した年月を考えると長かったわね。
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屋根裏部屋の公爵夫人
042話
第19話(1)