セドリックがほんとにいい子で。
唯一の味方だったヒロインが去ってしまったことは、今の不安から考えても彼にとっては悲しいことだっただろうに。
それでもヒロインが傷つけられなくなることが嬉しかったとか、こんなに幼いのに自分のことよりヒロインが心配だったのね。
ウィルの言う通り、実家でセドリックを守ったのはヒロインだけど、ヒロインの心を守ったのはセドリックだったし、何ならウィルが突き放してた一年の間もヒロインの心を支えてくれてたはず。
ウィルはいつも心を溶かすことを言ってくれるんだけど、時々ブーメラン?ってことがあって、おまいう案件になるのが惜しいところ(笑)
そして伯爵夫妻に対する処罰が甘々なのは前話コメに書いたけど、セドリックとヒロインの名誉の為に醜聞にしたくないというウィルの配慮だろう。虐げられた理由が理不尽で、受けた虐待が酷かったからもっとコテンパンにやってほしかったのはあるけど、まあそういう考えなら仕方ない。
でも義姉に王太子が縁談を用意するのは甘すぎない? なんのご褒美だって感じだし、相手も迷惑じゃん。まあ王太子のことなので、自分に不敬を働いた彼女にいい思いはさせない気がするけど。
そしてウィルが忘れてしまっていた過去の記憶。
婚約者に裏切られるってのはあるあるだけど、過酷な戦地から帰還してみたら他の男の子供を妊娠って、なかなか下衆い。そりゃトラウマにもなるか。
その後の婚約者とその実家の顛末は、国王の口利きでの婚約ならそうなるしかなかっただろうけど、なんでウィルの父が引退したの? 息子は被害者で傷付いてるのに、両親ともに離れて行った意味がわからん。
婚約者を管理できなかったウィルを責めて? それとも、国王の顔に泥を塗った責任をとっての隠居なのかしら。
でも結局、婚約者の不貞で自分の家名に傷をつけ、国王に迷惑をかけ、相手の家は破滅し(自業自得だが)、なぜか両親は去り、とにかくウィルは傷ついたのね。不貞そのもの以上にそれが引き起こした結果に、被害者のウィルだけではなく侯爵家の使用人も含めてみんな傷付いて、悲しみの象徴があの王宮の一室だったのかな。
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記憶喪失の侯爵様に溺愛されています これは偽りの幸福ですか?
048話
第21話 安心できる居場所(1)