5.0
守りたいもの
2人の女子高生がそれぞれ家庭に複雑な事情を抱え、特にマコちゃんは有り得ないような環境で生活をしていて、何とも言い表わし難い気持ちで読んでいました。お互い支え合って笑い合って過ごせた時間があったことが、何よりうれしかっただろうなと思うと、その2人の姿が浮かび、涙が出ます。身勝手で私利私欲しかない大人達、歪んだ気持ちを、好きとか愛とかと勘違いして彼女を追い詰めていく彼氏。本来ならまだ大人に守られる年頃なのに、周りに恵まれず守られなかったことが、悲し過ぎるし腹が立ちました。
みづきちゃんの覚悟が、高校生とは思えないくらいで、マコちゃんのことを本当に守りたかったんだなと伝わってきました。親友が亡くなり、どんなに辛かったことか・・・。必ず仇は取る、その為には自分が刑務所に入ることになってもかまわないという覚悟は、人がそうそうできることではないかと思います。自分の人生をかけて、司法に挑んでいったみづきちゃん。こうして感想を書いている今も、涙が出てきます。
全部読み終わり、完結という形なので、続きはないんですが、「マコちゃんはみづきちゃんを今でも大切な親友だと思ってるよ。いつだって見守ってくれるはずだから、どうか幸せになってね」と、言葉を贈りたいです。
- 0
adabana―徒花―