5.0
幼児性共依存からの脱却には時間がかかる
全く同じではないにせよ、これに近い状態になっている夫婦は少なくないのでは?と思います。
夫婦になっても、しょせん別々の人間なので、お互いのすれ違いは常に微調整、微修正していかなければいけないのに、相手は全部分かってくれてるはずと思い込む。
奥さんのことをお母さんかのように勘違いして、甘ったれたことに気付かない幼児性のダンナさん、耳の痛いところです。こんなガキのような精神性の男と話しても、全く検討違いの話になってケンカになるのが嫌で無視し続けてた奥さんの気持ちも分かります。
しかしダンナさんはバカな子供だけど、仕事を続けて家庭を支え続けていたことも事実だし、無視するよりも他に方法はいくらでもあったとも思います。意固地になって無視し続けたのも、分かってくれるはずという思い込み、幼児性からくる攻撃ですよね。
この夫婦の場合はお互いの精神的な成長をするのに、6年かかってしまったけど、それを無駄な時間にしないように、その後の人生で大事に育てていければいいと思います。
ダンナさんの相談に乗っていた、離婚した先輩女性の目線も物語にとって非常に重要ですよね。
一人で生きていくという決断をしたことを後悔したくないために心の奥底に封印させてたものが、「まだ好きなのに」という奥さんの言葉の意味を理解出来ない自分に気付くことで徐々に解き放たれていく描写は秀逸でした。
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妻が口をきいてくれません