前回コメントで皇太子とエミリアーノに回帰前の記憶があるなら、いつかカッセルにも記憶が戻るかもと書いたけど、こんなに早く戻るとは思わなかった。なにが引き金になったのか、カッセルも思い出してしまった。皇太子妃として苦しみながらも凛として立ち自分を振り返りもしなかったかってのイネスを。そしてそんなイネスに何も出来なかったあの時の無力な自分を。……そうしてイネスが今回の人生で口にした、様々な言葉の意味に気付いてしまった。
この事が、今後のカッセルを苦しめそうで少し心配。最初の人生でイネスを守れなかった無力感は、今生のカッセルの中にも残っていたんだろう。そしてもしかしたら、それがカッセルがイネスの愛を信じきれない一因だったのかもしれない。自分の記憶が戻ったことをカッセルは伝えられるんだろうか。記憶の戻った彼の中には、なぜ何も出来なかった自分をイネスは今回の人生で選んだのかと言う疑問が生まれてしまった。その理由は、イネスが最初から言っていた「有責にして離婚しても問題ないくらい顔が良いから」。………けれど、本当に?ここに来て思うのは、まだ回帰前のカッセルとの事を思い出していない幼いイネスの中には、今度こそカッセルと人生を生きていきたい気持ちがあったんじゃないかと言う事。個人的な願望だけど、そうして残っていたカッセルへの回帰前の気持ちが、幼いイネスにあの選択をさせたのだと思いたい。
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この結婚はどうせうまくいかない
087話
第085話