こんなに美しい刑のシーンがあるのかという……。
つややかなストレートの金髪が首とともに切られて空に舞うシーンの何と美しいこと。
残酷な現実から逃避して甘く幸せな空想という走馬燈を見ながら穏やかな微笑みを浮かべたまま飛ばされた首。
自分の行いを反省せず最期まで人のせいにして、あまつさえ過去の過ちを「もしも」で捻じ曲げた幸福な夢を要求するミエールは、本当に図太くて愚かで滑稽で。対するアリアは復讐のためとは言え悪事を唆して罪を犯させて、これでもかというほどに追い詰めて、一切後悔する顔を見せない様子はまさに悪女で。
どっちを悪いとも可哀想ともいい気味ともさえ言えない、何とも言えないこの余韻。
その全てが美しい傑作ですよ……。
ここまで無料で読ませて頂いていますけど、この話は課金してもいいかも。
また読み返したい。
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悪女は砂時計をひっくり返す
098話
悪女は砂時計をひっくり返す(98)