4.0
お互い様に見える
後半まで一気読みしました。
結局のところ、みちは陽ちゃんのことが好きじゃなくて、陽ちゃんもみちのことが好きじゃなかったんじゃないでしょうか。
みちは自分のことを求めてくれる陽ちゃんが好きだったんですよ。だからレスに陥った時も、満たして求めて愛してって、全部相手のせい。そこに陽ちゃんの気持ちなんて微塵も考えられてないし、陽ちゃんを責めてばかり。決定打とされている子どもの話になった時、「陽ちゃんと歩む人生」を軽々と放棄できたのは、裏切られた気持ちの裏側に本人も気づいていない気持ちがあったように感じました。だって、陽ちゃんのこと本当に理解してたら、まーまー言いそうだなって予想できる展開ですよ。
みちに必要だったのは陽ちゃんではなく、自分に自信を持つこと、自分1人でも生きていける事実、そんな力を自分は備えていることを知ること、だったんではないかなあと思いました。
また、陽ちゃんも陽ちゃんで、自分のそばにいてくれて、世話を焼いてくれる儚げなみちが好きだっただけで、みちの本心なんてまるで無視。本当にみちが大切なら、早々に子どもの話だって逃げずにしたでしょう。離れたくなかった、なんて結局独りよがり。そこにみちの気持ちはありませんよね。
お互い、好きだから離れたくないから…それって全部自分のため。相手を思う気持ちなど、どこにもなくて、読んでてしんどいなあと思いました。
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5
あなたがしてくれなくても