チールーさんの投稿一覧

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31 - 40件目/全128件
  1. 評価:5.000 5.0

    心に残るお話

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    疎遠だった娘が急死し、娘の一人息子である孫のニタ君を引き取った主人公のじじちゃんが、慣れない子育てに奮闘しながら、ニタ君を通して娘への思いを再確認していくストーリーです。

    ニタ君は、心が豊かで優しい子です。じじちゃんの娘であるニタ君のママは生前、シングルマザーで忙しい日々を過ごしながらも、きっとニタ君に愛情たっぷりに、丁寧に接していたんだろうなと想像できます。
    ニタ君が初対面のじじちゃんとすぐに打ち解けることができたのは、ママがじじちゃんとの過去を決して悪く言わず、出産に反対されて疎遠になったことなどももちろん話さず、ニタ君にじじちゃんの良いイメージだけを抱かせていたからなんでしょうね。
    もちろんママ本人はこんなに早く息子とさようならをしなければならない日が来てしまうなんて考えもしなかったでしょうが、でもママがじじちゃんとのいい思い出をニタ君に話して聞かせたてきたことは、結果的に、ママ亡き後もニタ君が幸せに生きるための道しるべになっていたんだなあと感じました。母の愛は偉大です。

    日々奮闘するじじちゃんと健気に毎日を過ごすニタ君を、周囲の人たちがサポートしてくれる様子がまた素敵です。じじちゃんの友人のぶんすけや保育園の先生など、皆さんいいキャラで、読んでいて心が温まります。

    • 0
  2. 評価:5.000 5.0

    これは惚れる

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    もう山口くんが良すぎです。完璧です。外見と中身のギャップ、さりげない気遣い、大切な思いをちゃんと言葉にできる素直さ……挙げ出したらキリがない。最高です。
    皐がまたなんとも良い。控えめでいて、しっかり芯を持っている。相手を思いやれて、これまたちゃんと言葉にできる素直さがあって。二人、めっちゃお似合いです!
    皐の友達も石崎もみんないいキャラで、日々の風景がとても微笑ましい。私にはもう山口くんと皐の会話が宝石のようにキラキラして見えて、読みながらいつも心に潤いをもらっています。

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  3. 評価:5.000 5.0

    作者さんお見事

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    とても画期的な作品だと思いました。

    可愛い彼女が作ってくれる美味しい料理を食べて、いちいちつまらないダメ出しをするモラハラ主人公・勝男。自分は料理が全くできないのに、ダシがどうだとか知ったようなことを言ってえらそうにしています。
    そんな勝男に対し、彼女はいつもそれを従順に受け入れ、素直に謝罪していました。
    ところが。
    記念日に自信満々にプロポーズをした勝男ですが、彼女にあっさり振られます。ここまでは、比較的よくあるモラハラ男のストーリーです。好き勝手に威張り散らした末に振られて、ザマアミロと。

    私が読んでいて作者さんすごいなと思ったのは、失意の勝男が彼女の気持ちを知ろうと、料理を始めてみたこと。こんなにも昭和な思考のモラハラ彼氏がとったまさかの行動に、この作品の意義を感じました。
    とはいえ人はすぐに変われるわけではなく、まだまだ勝男は周囲にイタイ発言を連発してしまいます。それでも彼女の気持ちや職場の後輩の気持ちを知ろうと、積極的に料理をしたり、未知の食べ合わせに挑戦したり、他人に歩み寄ろうと努力を続けます。

    現実にも、女性側が『じゃあ、あんたが作ってみろよ』と言いたくなるモラハラ男は星の数ほどいますよね。この漫画の序盤を読んで、まさに『私の彼氏と同じだ!』『うちの夫が描かれてる!』と思った女性は多いはず。
    でもそのあるあるだけでは終わらない、救いようのないモラハラ男にもこんな気づきがあったなら……と、ひとすじの希望を持てるような、そんな作品です。

    • 3
  4. 評価:5.000 5.0

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    6話まで読みました。
    成績優秀な主人公が、実家の苦しい家計のために、入学金学費ゼロの上さらに手当まで出るという防衛大学へ進学するストーリーです。
    両親と主人公が互いを思いやる姿に胸を打たれました。そして、自分の境遇を嘆かず、その時その場所で自分にできる精一杯の進路を見つけようとする主人公にとても好感が持てました。親身になって進学先を探してくれた高校の担任の先生もまた、素晴らしかった。

    着校の時点では、防衛大の先輩たちは主人公たち一年生をとても優しく歓迎してくれました。しかしこの後、厳しい日々が待っているのだという予感がちらほら。
    同部屋の2人が着校せず、他の部屋では初日に辞めていく学生もいて……。
    この先を読むのがとても楽しみです。

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  5. 評価:5.000 5.0

    深い。じっくり考察したい作品。

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    ネタバレ多数あります。結末のネタバレもあります。作品をまだ読んでいない方はご注意ください。

    学年新聞に4コマ漫画を連載している小学生の藤野は、見栄っ張りでカッコつけで、周囲からの高評価を内心喜びながらも『漫画なんて別に』とうそぶく日々を送っています。
    ある日、同じクラスの不登校児・京本の凄い画力を目の当たりにして、負けたくないと徹底的に練習をして画力を上げるも、どうやっても京本の絵に敵わないと悟り、加えて、四六時中描き続けていることを友人や家族に冷ややかな目で見られるようになってしまい、藤野は漫画を描くことをあっさりとやめます。
    ところが、ひょんなことから京本が自分の漫画の大ファンだと知り、そこから藤野は再び漫画を描く、描く、描く。

    藤野が『京本が死んだのは自分のせいだ』と考えた時に唐突に起こる分岐がとても印象深い。
    パラレルワールドの卒業式の日、破られた4コマの切れ端を見た京本は部屋から出ず、藤野に出会いませんでした。
    けれど結局、京本は美大に進学します。藤野が部屋から連れ出しても出さなくても、事件に遭遇するという結果は一緒だったんですね。
    ただ、パラレルワールドでは事件現場に藤野が登場します。小学生の頃に漫画を諦め、空手を続けていた藤野が、京本を救う。そうしてこの後から二人が一緒に漫画を描き始めるのだろうと推察できます。

    小学生の時に出会っても、大学での事件後に出会っても、二人は一緒に漫画を描くことになっていたんですね。京本の寿命は違っているけれども、どちらの世界でも二人は出会って漫画を描きました。強固な縁で繋がっていたのだと思います。

    ストーリーを通して、4コマ漫画の存在がとても効果的だと思いました。
    『出てこないで』という切れ端の4コマは、京本の死を惜しむ藤野の切実な願いとなって時空を超えます。それを受け取ったことで、パラレルワールドの京本は生き延びました。そうして、京本は大学の事件後にとある4コマを描きます。それが京本を失った方の世界の藤野の手に渡ります。

    鎮魂、救い、様々な言葉が思い浮かびました。苦しくも前を向いて歩いていこうと思える何かをもらえる作品です。

    • 1
  6. 評価:5.000 5.0

    言い表せない読後感

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    不真面目で、刹那的で、適当にちゃらけてうそぶく。主人公たちは、実はどこにでも一定数いるような男子高校生です。
    そんな彼らがちょっとしたイタズラのつもりでとったある行動が、とんでもない事件を引き起こしてしまいます。こともあろうに死者まで出す事態に。

    悪いことに逃走資金のあてがあり、彼らは逃げます。その間、本当に色々なことがあります。ある者は裏切りを繰り返してクズに成り下がり、またある者は、糸が切れたように衝動的に……。
    エピソードに強烈なエグさがあり、真正面から受け止めながら読むと精神的に疲弊します。

    とあるかたちで世間に罪を告白した後、主人公たちはそれぞれの場所で生きていきます。時が経っても、人を殺めた事実は主人公の中に渦巻き、目先の日常で気を紛らしていてもふとした瞬間に噴出します。そうしてこの人はずっと、体の奥にそれを持ったまま死ぬまで生きていくのだろうということが想像できる、そんなストーリーの終盤でした。

    ラストで事件の回想をする描写があり、最後に大きく描かれた主人公の表情を見て、私は、仮に事件当日の出来事にこの表情の一コマを挿し入れてストーリーをたどり直してみると、解釈が色々と違ってくるのではと、ちょっと震撼しました。

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  7. 評価:5.000 5.0

    面白い

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    信長だけでなく、何人もの戦国武将が犬に生まれ変わっているという。しかも皆、ご近所さんという。笑
    今世の犬の名前で呼び合ったり、会話に現代の若者言葉が混じったりする様子がなんとも面白いです。

    • 0
  8. 評価:5.000 5.0

    素敵な人

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    主人公の森若さんに好感が持てます。真面目すぎるきらいはありますが、毎日の生活を丁寧に、より良く過ごそうという姿が素敵に見えました。自分に課した小さな決め事を積み重ねることで安定を守る森若さん。こういうタイプの人は、欲望に流されることや自堕落とは無縁ですよね。一見地味なこの暮らしが、実はとても美しいのだと感じました。

    森若さんの主義は『フェア』ではなく『イーブン』。経費で落ちる落ちないを的確にジャッジしていく経理部の敏腕社員ですが、相手の人間性のジャッジがまた、なかなかの正確性。こちらには機械的な思考や数字っぽさがなく、あるのは森若さんならではの人間味ある視点です。相手が人としていい人であることを認めた上で、仕事としてはそれではいけないとしっかり判断できる目もまた素晴らしい。

    森若さんを慕う男性社員の太陽君がまた、良い人間性。真面目で細かすぎとも言える森若さんの行動に対しても、否定したり無理に修正しようとせず、明るく気長に待ってくれるところが好きです。自分の好みや価値観を押し付けず森若さんの暮らし方を尊重する姿に、愛情を感じます。

    大らかな太陽君と接していくことで、森若さんが少しずつ変わっていくのがまた微笑ましい。ちょっとのイレギュラーを許せるようになったり、イーブンと言いつつもなんだか可愛い解釈をしてしまったり。これからの二人の関係性がどうなっていくのか、とても楽しみです。

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  9. 評価:5.000 5.0

    全話読みました

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    難しいテーマに正面から挑んだ力作だと思います。賛否両論は、制作側も覚悟の上かと。

    小学生時代の描写は、目を背けたくなるほどリアルです。幼稚で身勝手な6年生の集団と浅ましい教師たち。健常者の子供たちの人間関係からして問題だらけで、まして障害を持った子が加わって平穏無事にいくはずなどない。せめて大人たちに教育者としての人間性が備わっていなければ、到底無理なことです。
    印象的だったのが、女性教師が『しょうこちゃんはノートでやり取りするよりも手話を使った方が楽だから、みんなで手話を覚えましょう』と提案した時、健常者の女子生徒が『私はノートでやり取りした方が楽なんですけど』と言った場面。確かに障害者を無条件に優先するのはおかしいことなのではと、ハッとしました。耳が聞こえないながらみんなの中で一緒にやっていく障害児はもちろん大変だけれど、それをサポートする周囲もまた、12歳の子供。健常だからと無条件に負担を強いるのは間違っているのではないだろうか、どちらの子供も少しずつ負担を分け合ってやっていく方法を、大人が間に入って一緒に考えるべきなのではないかと考えさせられました。

    主人公のしょうやは、子供時代に酷い行いをしました。しょうやはそれを抱えて大きくなり、それは生きる意味を見失うほどの存在となって、やがて自死という悲しい選択が脳裏に浮かぶまでになります。
    他の子たちも、どこかでそれを引きずっている。明るく振る舞っていても、心の奥深くにはそれがある。
    聴覚障害のしょうこもまた、抗えない自己否定に苦しみます。いつも謝ってばかりいることを健常者の女子からきつく指摘される場面では、読んでいて胸が痛みました。その女子の言いたいこともわかるんです。ちゃんとぶつかって来いっていう思いが込められていることも。けれど、しょうこには難しかった。一人では何もできなくて、ずっと周囲の負担になっていて、自己肯定感なんて微塵も持てずにいて、存在そのものを『ごめんなさい』と思ってしまっているから。

    子供というのは、往々にして残酷なものだと思うんです。大人に近づいていく過程で、当時の自分の残酷さを思い起こして震え上がってしまうような、そんな記憶を持つ人もいるはずです。
    それぞれがその記憶をどうやって消化していくか、お互いを許し、自分を許していけるか。そんなことを考えさせられる、物語のラストでした。

    • 6
  10. 評価:5.000 5.0

    面白い!

    話題の作品なので読んでみました。こんなに面白いとは、予想以上でした!
    主人公の頑張りがとても良い。見ていてグッときます。
    グロさについては、私はそれほどしんどくはなかったです。もちろん人それぞれだと思うので、苦手な人は注意が必要かも知れません。

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