5.0
とても人間味のある作品
どこにでもいそうな性格の明るさが取り柄の男子大学生がバイトをする味自慢の定食屋に、ある日ふらりと現れた巨躯の女性。
食事の所作が綺麗で、最初は興味本位をもつ男だが、常連となって通い続ける女性に次第に興味本位以上の関心を持っていく。
周囲の人々との関係性も発展していきながら、巨躯の女性と次第に恋愛へと発展していくストーリー。
登場人物全員が魅力的です。
最近よくある恋愛ものは、役割に肉付けされただけのようなキャラクターやストーリーのものばかりですが、
この作品の登場人物たちは、良い面もあれば人間らしい泥臭さや感情的なところが感じられるような多面性を持っており、
なんならそれぞれの人物で話が作れてしまいそうなくらい、全員が個性的で魅力的な人物ばかりです。
フィクションなので演出的な要素なども当然ありますが、そこまで強引さや押し売り感がなくて、とても読みやすかったです。
また巨躯の女性に対して少し先入観というか偏見をもつような導入ですが、読み進めるごとに女性の卑屈さもいやらしく感じず
むしろ魅力にあふれていて応援したくなるキャラクターでした。
所作の美しさや礼儀などの部分も、気付かされることがあり、自分も昔親に靴を揃えることを躾けられていましたが、そのことを他人様にも褒められたことがあるなと思いだしました。
読む人によって感じ方も異なるとは思いますが、私はとても素敵で気持ちよく読める作品だなと感じました。
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