5.0
センスのかたまり
街中で学ランの下にフード付きのパーカーを着て歩く少年を時々見かける。影響を受けているのかなとニヤけてみてしまうが、気持ちは分かる。それくらいかっこいい。主人公だけではない。仲間も敵も、みんなかっこいい。
世界観も、架空であることは分かっているのだけれど、どこか妙にリアルだ。生活の中で感じる肩凝り、ニュースで観る事故、不審死などを、霊的に説明するとすれば、まさにこんな形で、呪霊のような悪なる存在が作用しているのかと考えさせられる、そんな時がある。
そして、この作品の中において、時折キャラクターが語る死生観や世界観は、極めて思慮深い。その水準は哲学的と言っていい。
特に伏黒恵が語った、因果応報の供述は、この世界の真実だと思う内容だった。
これだけ充実した作品を生み出す作者は天才の類である。出版社や関係者の方においては、どうかこの天才作者が、思いどおりに物語を創造できるよう、配慮してほしい。仕事と時間に追われて、展開や描写が雑になってしまうと大きな損失となってしまうから。
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呪術廻戦