4.0
安心して読める
この手の話を読むたび思う
妾の子を正妻が疎ましく思うのはわからなくはないけど、子どもに罪はないし、そもそも夫の性欲の成れの果てなのに、何故夫に咎が行かないのか。責めるべきは夫であり、夫は妾が生んだ子を守る義務があると思うんだけどね
この話の救いは、正妻が娘が妾の娘のあやに優しかったこと。母親と一緒にあやを虐げるような娘ではなかったのがよかった
ただ、そのせいで運命が大きく動くのだが…
あやは自分が妾の子だし学もないし、夫の行基にふさわしくないのでは…と悩みつつも、常に前を向いて自分の出来ることを精一杯やろうとする芯の強さがあって、とても好感が持てる
行基の幼馴染の章子の登場に振り回されるが、それも自分のことよりも人を思いやれる優しい気持ちから…だろう
ただ、行動に移す前に確認しろよな!とも思ったけど、育った環境が環境だったから自己肯定感の低さは仕方ないんだろうし、結婚当初の行基の言葉がずっと胸に残っていたんだろうね、それも仕方ない
安心して読める作品です
面白かったのです
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