5.0
考えさせてくれる。
学年1の美少女と2人で遊ぶことが多かった私は、行く先々で比較され、小学校に上がる頃には世間のルッキズムに気づいていた。13歳、電車の中で私を見て「あの子とか可愛いんじゃない?」「でも顔でかくね?」というのが聞こえ、同級生からは「(小顔の)A子の隣にいるとあんたの大きな顔がさらに大きく見える笑笑笑」と笑われた。14歳、部活帰り、可愛くて小顔のB子と一緒にいたら見知らぬハゲおやじに「お嬢ちゃん、顔がおまんじゅうみたいだね笑笑笑」と笑われた。27歳、前髪をつくったら彼氏が大爆笑。28歳、私の横顔を見て(同じ)彼氏が「鼻が低い、ださ!」と言って大爆笑。
以来、丸顔・デカ顔・おまんじゅう顔の私は、誰とも対等に付き合える気がしなかった。
39歳、私をそのまま愛してくれる彼ができた。アラフォーの私の腹肉をつまんで「これぞ幸せの象徴だな」とか言って笑う。最初は抵抗したが、彼はそれをやめないし、「えー、ここも一部じゃん」「これは愛情」と言ってきかない。そのうち、私もいつしか鏡にうつる自分を受け入れられるようになり、この腹肉も自分の一部だと思うようになり、シミ&毛穴だらけのすっぴんを彼に見せられるようになった。
だから、この作品の主人公のコンプレックスやトラウマ、世間に抗う態度はすごく理解できる。彼女はまだ若いから、私よりもうんともがくと思うけれど、若い人にこそルッキズムを乗り越えたところに辿り着いてほしいと心底思う。
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ブスなんて言わないで 分冊版