5.0
主人公の強さに救われる
発達障害について、ぼんやりとしか知らなかったが そうか こんなにいろいろなんだと思った。
主人公が医者で、発達障害の患者さんとのお話かと思ったら、主人公も彼女が便りにするのも「発達障害者であり、その専門医でもある」。ちょっとびっくりした。そしてカミングアウトの回では、カバンの件で「こんなことにも必死になってること」を理解してほしいんだと言う主人公に涙しそうになった。日常のなんでもないはずのことが、難しい。それが理解されないことが苦しい。「そうか、そうだね。うん、良く言えたね、良く伝えてくれたね」と思うのと同時に自分の中でも「そうか、これだったんだ。私の苦しかったものは」という小さな共感も。
自分の発達障害に気付いてない人も多いと言われる現代。多かれ少なかれ生きづらさを抱えてる人が大勢いるだろう。この物語は発達障害者という「他者」と、そして自分について 色んなことを教えてくれるかもしれない。
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