5.0
面白かった
怪奇に憧れ、囚われた主人公の欲望はわからないでもない。でも幻想の伝説になろうと実際に行動する主人公の思想は理解しきれない。そこに到達できた時、私もまた『そちら側』の人間に変態した、ということになるのだと思う。
ただこの物語に畏怖し、嫌悪しながら、達成した主人公の悲劇と幻想を楽しむ。
言ってしまえば思い込みの強い愉快犯の完全犯罪なのだけど、その指摘は物語として楽しむ分には野暮である。幻想は幻想だから美しい。
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3
フクロウ男