5.0
おもしろい
賢く強く優しい主人公のオパールが、苦難を乗り越え道を切り拓いていく、と言うお話。
必ずしも恋愛がメインではないので、がっかりされている方はそれを期待して読んでいたのかな、と思う。
面白かったし、続きも気になり原作(WEB・書籍両方)も読んだところ、原作に忠実に、とても良くコミカライズされていると分かった。なので結末分かっててもコミカライズ版は引き続き買うつもり。
オパールが聡明で、良い意味で自分の使えるものをうまく使って苦しい状況を打破して行くのがこの話の良いところ。そして2巻後半〜3巻前半はスカッとして気持ちがいい。公爵家への対応が甘い、と言うレビューもあるが、個人的にはオパールの器の大きさを表していて、これはこれでいいと思う。特にステラに対しては全く相手にしていないのが逆に良い。フツーに体のことを心配してあげつつ、他は眼中にないのが何気にステラには凄く効くのでは。現実でも、愚か者と同じ土俵に立つのではなく相手にしない方が良いケースはたくさんある。勿論、漫画なら分かり易くやり返す方が盛り上がるし面白いんだろうけれど。
その他、オパールと公爵、それぞれ個人の器の違いや成熟度合いだけでなく、彼らの環境ー例えばオパール・クロードと公爵・ステラの幼馴染みとの関係性なども対比されていて、よく読めば読むほど面白い。
この作品に限らず、漫画版で多少端折られている部分はあるので、細かい背景(そもそも何故、オパールに悪い噂が付き纏い、かつ非の無い筈の本人が昔の自分の行動を反省しているか、など)が知りたい人は原作を読んでも良いかもしれない。ただ、個人的には漫画版の方がオパールはじめ人物達の心情が分かりやすく、また伏線も分かりやすく張られていて良いと思う。本当に良くコミカライズされている。
好みの問題だが、個人的には原作第2部の話が好きで、第2部を読むと連載中のこの話がそもそも壮大な伏線のように思えてくるので、出来れば原作の最後の最後まで漫画版が続けば良いな、と思う。
- 42
屋根裏部屋の公爵夫人