5.0
幸せという言葉の前では、皆まいごなのかも
最後まで読みました。「親友は悪女」の続きの世界です。
本作をおすすめする人は、「親友は悪女」の最後で妃乃は今後どのように生きていくのかなと気になった人、自分自身の現状に特に大きな不満はないけれどなんとなくぱっとしない人生と感じている人、等です。
妃乃は相変わらずですが、妃乃の能力の高さも描かれます。それは恋愛面だけではなく仕事面においてでも。妃乃はよく考えて学習し、周囲をよく観察し最適な場所タイミングで実行します。時には自分で最適な時を作ったりします。
それが頭と体を使うということだと思います。確かに「すげぇーな!どうやったの?スペック高!!」ということが幾度もありましたよね…
それとともに妃乃の矜持…のようなものも描かれます。
でも妃乃に憧れる仲江さんの成長(気付き・行動・失敗・反省・更なる気付き)を隣で見ていて、妃乃にも新たな気付きが生まれます。
自分にとって幸せとは?
妃乃が選ぶ生き方は、妃乃の心内語にある通り、本当に強くて誰もが選べる道ではないと思います。そして何も変わっていないようにも思えます。
でもただ単に「人にいじわるする」だけではないものになったように思えます。そこには仲江さんからの影響だけでなく、堀江さんの姿がしっかりとあります。
最後の仲江さんの「隕石降ってこいなんて思わなくなりましたよ」という言葉がとても嬉しかったです。
本作で自分自身を振り返るきっかけにもなりました。絵も綺麗で読みやすいので、気になった人は読んでみてほしいです。
ひとつ、…灰色を受け入れられるかどうか、
望み通りの生き方をしている人なんてほぼいないだろうから、
古い言い方だと、これは青春の終わりというのか、大人になるというのか、マリッジブルーだったり就職時だったり、様々ある灰色に感じる瞬間、それが妃乃の決断に出てきて…はっとさせられました。
みんな幸せという言葉の前ではまいごなんだと思います。
ただ頭と体を使っていくらでも「幸せ」の殻を打破できると教えてもらいました。おすすめです。
- 10
親友は悪女~まいごの悪女~