5.0
読む価値のある漫画です
沢山サイトで紹介されているとおり、社会に問題を問いかける作品。
個人的な感想として、いちばん興味深かったのは、みいちゃんとむうちゃんの人生の違い。
本当に愛してくれる家族と、正しく社会や福祉と繋がれたむうちゃんは、自分のこともきちんと把握できたから、スタート地点が同じでも、全く違う道を歩んだ、、、。きっと、むうちゃんは幸せな家庭を築けてお母さんになれている気がする。
みいちゃんは、家庭環境と両親からして救いようがなく、ただただ不遇で可哀想な人生だとしか思えない。精神に障害があると思うので、貧困家庭のそうした女性が世の中でどんな末路をたどるかを、見せられたようだった。
私は、山田さんのようには関わりたくない。実際にみいちゃんと同じような人と、風俗ではない店で働いたことがあるが、彼女も、ものすごい年上のおじさんと付き合っていた。仕事中にいきなり泣いたり、勤怠めちゃくちゃでクビになり、最終的には生活できなくなって、みいちゃんと同じくらい田舎の、親元に連れ帰られていった。いまはどうしているか知らない、、。
私は初め、山田さんのように仲良くしていた。しかし、ある程度のところからは、手に負えなくなってくる。深夜に終わらない一方的な長電話を毎日かけられたり、仕事で皆の善意を踏みにじるような行動を悪気なくしちゃったり。
そんな彼女を久しぶりに思い出す話だった。
みいちゃんはあんなに死を怖がっていたのに、ニュースになるような無惨な殺され方をするなんて、残酷だ。スクルージのように、自身の最期が生前わかったら、回避できたのかな。分かれ道は、むうちゃんの誘いを断った時だと、私は思っている。
犯人はぺンチで歯を抜いたり、覚◯剤を打ったり、、明かされないが、一体何者だろうか。
犯人が山田さんとかいう推測が書かれているけど、山田さんは作者自身だと思うから、もし犯人が彼女なら、サイコパスになってしまうし、それはないような。風俗の客は信じがたい行為ばかりをさせていたSな人ばかりだから、その誰かか?
全編通していちばん気味が悪いのは、ツバサくんとお母さんだと、私は思うけれど、すごいリアルだ。障害者の性まで描く、この作品は、目をそらすことができなかった。
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みいちゃんと山田さん