5.0
類を見ない逸品
大戦直前の欧州に似た世界を舞台に、異世界転生でよくある旧来の常識vs新常識、というだけでなく、神々vs転生者、組織vs個人、部下vs上司、国家vs国家と、どのエピソードも近現代の深い造詣をもって高いレベルで描かれている。四十年後の新聞記者から謎の存在扱いされている主人公の描写など、エモさの極み。現代戦にて魔法使いが兵士になったならというif、ダイハード的な主人公の愚痴、エンジェル伝説めいた会話のスレ違い(ただしエンジェル伝説とはベクトルが真逆)、エースコンバットを彷彿とさせるライバルとの空中戦、容姿端麗な幼女の中身が冷徹非常な企業人というギャップ、いずれをとっても魅力的。複雑になりがちな状況や背景の説明も、漫画内マンガ的なポンチ絵を織り混ぜてテンポよく済ませてくれる。原作のコミック化としてもコミック自体としても傑作。
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幼女戦記