5.0
主人公に関わる人達と自身の物語
病児保育という職業すら知らなかったのですが、この作品に出会って良かったです。
主人公桃ちゃんが訪問するそれぞれの家庭の事情と子供たち、はらはらしたり感動したり、リアルなドキュメンタリーを見ているような気持ちになります。
何より桃ちゃん自身がネグレクトを受けていた辛い身の上が徐々に明らかになりますが、職場の上司朝比奈さん、職場のひとたちに支えられて明るく頑張る姿は心から応援したくなります。
毒親からは子供の頃病気になっても看病もして貰えず、お弁当も作って貰った事もなく、家族旅行の時は一人祖母の家に預けられていた桃ちゃん。
桃ちゃんは厳しかった事だけ覚えて恨んでいたけど、でもおばあちゃんが厳しかったのは放置されて躾もされていなかった桃ちゃんを、きちんと教育してくれた為ではないのかと、朝比奈さんに指摘された場面では、親姉兄から虐待されていた桃ちゃんを、おばあちゃんだけはそんなやり方で愛してくれていたのだと思いました。
毒親の影響で桃ちゃんを拒絶していた姉が、子供たちを桃ちゃんが救った事で真の姿に気づいてくれてほっとしました。
桃ちゃんには幸せになって欲しいです。
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37.5℃の涙