1.0
あえて、少し真面目に書きます。
まず、最初に、大前提のことを言うと、作者さんの作品は大好きです!
菫ちゃんの、ふと顔をのぞかせる最高に男前な性格も、人の心にささる言葉えらびも…とてもとても魅力的な女のコです。
レオさんの、大人の色気がダダ漏れにあふれてしまっているところも、すみれちゃんへの重すぎる愛も、たまらなく愛おしいキャラしてます。
ちゃんとキュンが散りばめられていて、でも恋愛要素だけじゃなく…心があったくなるような家族愛なんかもしっかり描かれていて、本当に大好きな作品です。
ただ、、菫ちゃんとレオくんの関係が、ただの年の差カップルで、レオ君が過去にあった色々な問題を抱えていて…くらいの関係性ならよかったのに…と思ってしまいます。
私が、読んでいる段階では、菫ちゃんとレオくんが、お父さんとお母さんに過去の事件の事をカミングアウトして、お父さんがまだまだレオくんを受入れられなくて…という状況。
普通なら、「お父さん、こんなに惹かれあってる2人を認めてあげてよー」と、思うかも…
だけど。今回のケースは、過去を水に流すにはあまりにもショッキングな事件。
子供だった菫ちゃんよりも、菫ちゃんを護るべき立場だった、お父さんとお母さんにとっては、本当に本当に、自分を許せなくなるような、そして家族の形も壊れてしまうような、とてもショックな事件だったはずです。
きっとお父さんは、レオくんを見るたびに、その“ぎゅっ”と苦しくなるような気持ちを感じ続けるはず。
レオくんが過去を悔い改めて、今はとても真面目になって、菫ちゃんを笑顔にしてくれる存在だとしても。
それでも、ふとたまに、自分ではどうしようもなく、過去に感じた大きな悲しみ、不安、後悔や、色んなぐちゃぐちゃした感情に飲み込まれそうになる時があるんです。
どんなに幸せな日常が、日々上書きされても、ふとした瞬間に、フラッシュバックが起きてしまうものなんです。
そして、お父さんにとって、その紛れもない原因が、レオくんの存在そのもの。
2人の今の関係を認めて、2人が一緒にいる姿を側で見続ける事を、お父さんに受け入れて!て言うのは、あまりにも酷な気がしてしまいます。
とても情が深くて、家族を大切に思っている菫ちゃんとレオくんだからこそ、お父さんとお母さんのその苦しい気持ちとどう向き合っていくのか。そこを、ぜひ丁寧に描いてほしいなと思います。
- 8
稲妻とロマンス