5.0
龍生くんの好きがだだ漏れ
読みたい物が無くて無料がある漫画を探してた所に高レビューだったので読み始めましたが、ハマってしまいました。
違った形ですがお互いに大切な人を失う経験があり、深い心の傷を抱えながらも、大好きな焼き物を続けている2人。
器作りの考え方の違いに最初はぶつかり合いますが、悲しい別れを経験してる青子だから言える言葉に龍生の表情が変わっていきます。
雨粒皿の試作を見ながら、どちらか選べないーって興奮してる青子を見つめる龍生の表情が、本人自覚無しに青子を好きになってるのがひしひしと伝わってきます。
龍生は窯ではほぼ無表情なのに、青子が絡むと表情豊かになったり、ちょっとした瞳の動き方で何を考えてるのかが伝わってくるので目が離せません。
性格も真逆なんだけど、真逆だからこそ足りない所をお互いに補い合って上手くはまってるような2人の関係が微笑ましいです。
青子の元カレの熊平は出てくるだけでイラつくけど、彼がいなかったら2人も結ばれなかったと思うと複雑な心境になります。
漫画っぽいわざとらしい展開や無理な設定は無く、普通にリアルに起こってそうなお話なのも魅力でしょうか。
窯で働く人たちも特にしのぶちゃんがいい!青子の家族も、職人さんたちも魅力に溢れてます。
一美さんも師匠もいい。社長も2人を応援しながら見守ってくれて、必要な時に背中を押してくれて、読んでるこっちが嬉しくなります。
待てなくて最終巻を電子書籍で買って読みましたが、引き出物にした2人で作ったスノーフレークの柄も、九陶に行った時に雪輪の柄を青子に聞いてたことが伏線になってた?とドキドキしてしまいました。
春馬との思い出の森を2人で訪れて、青子が春馬のことを龍生を巡ってのライバルになるなぁと言いつつも、一生の友だちになると言った時の龍生の表情がもう…。
その後に春馬が青子に寄り添って手を振るシーンは泣けてしまいます。
会ったこともないのに、春馬のことを大切に思う青子だからこそ龍生は青子がたまらなく好きなんだろうなと思います。
そして46話の表紙が素敵なんです。
2人で作った器の柄に囲まれて見つめ合う2人の何と美しいことか。
何度でも読み返したくなる作品です。
そして2人の作った器が欲しくなりました。
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青の花 器の森