4.0
もう一度読み返します。※長文辛口レビュー
この漫画を読んだあと、過去に読んだ本の一説を思い出した。
「作者は読者の想像力を奪ってはならない」
まあ、人はバンバン死にますしブッ飛んだ設定ですが、とても緻密に練られたストーリーでした。
ただバナナフィッシュと比べてはならず。不満を言えば3つです。
・ひとつめはセイの顔。
髪の短いときは魅力的だったのが、髪が伸びた頃から寄り目になっててマイルドなカイジ(笑)にしか見えなかった。
それでストーリーがスっと入ってこなくて何度読む手を止めたことか…。
この作者さんの絵柄は輪郭が細長いしアゴもとんがってるから余計にそう見えたのかな。
まあ、このひとつめはどうでもいい。
・ふたつめはルー・メイの存在。
ある意味バトルものの漫画に、お色気要員みたいな「女」は必要ないと私は思ってる。
それほど戦闘力があるとも思えなかったし、唐突にカットインするクロサキとのキスシーンや匂わせのエッチも必要なかったのでは?
さらに許せなかったのが、そのあと舌の根も乾かんうちにセイに迫ったこと。
とんでもない遺伝子を持つセイと、そういう関係になったら、もし妊娠したらどういう事になるか──考えもなしで、ああいう事したんかと少々呆れました。
セイにとってはラッキースケベ的で良かったでしょうが、これが後々の「イブの眠り」に響いてくるようなので(読んでる途中)、次作のためだけにセイとの絡みを入れたのだとしたら作者さんにもYASHAファンにも申し訳ないけど陳腐だと思いました。
・みっつめはシンのゲスト出演。
これはバナナフィッシュファンへのサービス精神だったのかな。でもチラッと出演だけでよかったように感じます。もしくはシンでなくてもよかった。
シンの現在の地位・それまでの社会的事情を説明するのはいいと思う。ただ彼のプライベート事情はいらんかった。
これもまた、さっきのルー・メイが聞かれもせんのにぺらぺら一人語りしたのだ。夢を壊さんでくれ。
──というわけで長々と不満ばっかり書き連ねましたが、最後にもうひとつ言わせて。
連作は「YASHA」「イブの眠り」だけにしてほしかった。
賛否両論あるようですが、バナナフィッシュの「光の庭」はなかった方がいい派です。これ以上、読者の想像力を奪わないでほしい。
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YASHA 夜叉